エコーで測った長さは本当じゃない・・・のね

初心者のタメの超音波検査セミナー

いつも読んでくださっているみなさん、ありがとうございます!

そして初めての方、はじめまして!(笑)

これからも「長~い」お付き合いよろしくお願いしますね。

私は臨床検査技師です。

検査をする時って、患者さんの情報が多ければ多いほど信頼性の高い検査ができるんですね。血液検査でも、前回の結果と今回のデータを比べて「おおきな変化ないかなぁ」なんてことをみたりしています。その他にも「熱がある?、どこが痛い、過去の病歴は?」といったことも参考にします。

もちろん超音波検査もおんなじです。検査前に患者さんの情報を「かき集め」てます (^^) 特にレントゲン写真、CT、MRIの情報は必須ですね。でも私は臨床検査技師なので、レントゲン写真読めないんですね~(泣)

だからレントゲン技師さん(正式には診療放射線技師さん)とは普段から仲良くして、色々教わるようにしています。このメルマガを創刊した頃からのお友達「でんでんむし」さんのメルマガは、レントゲン検査にシロウトの私にも、とてもわかりやすく解説してくれます。

いつも参考にさせてもらってます!

「自分の体は自分で守る!! 病院でのレントゲン検査」

http://www.mag2.com/m/0000145546.html

レントゲンを撮ってもらう患者の立場の方々も、読むとタメになりますよ~ (^^)v

エコーで測った長さは本当じゃない・・・の? ②

「エコーの距離計測って、本当の長さじゃないんですか (??; 」

えっ もしかして・・・

そんなことも「知らなかったの・・・?」

前号のつづきです

超音波検査装置に「表示される画像」 ←超音波検査は体の中をカメラで覗いているわけではないので、本当の組織や臓器を直接みているわけじゃない。

これはもう大丈夫ですよね。

エコーのBモードでは、プローブから発射したパルス波が組織にあたって、はね返ってきた反射波の強さを「輝度」として画像表示しています。体の中の組織に当たって、はね返ってくるまでの往復時間から距離(深さ)を計算して表示していることは前にも言いました。

これは、パルス波を使っているからできることでしたよね。パルス波を使って、発射からはね返ってくるまでの時間をはかり、距離(深さ)を計算します。

距離 = 時間 × 速度

うちの子供も知ってます♪

かんたんです (^^)v

時間は装置が勝手に計ってくれてます。ちなみに、連続波では音波をずっと出し続けているので、返ってきた音波がいつ発射した波なのかわかりません。ですから往復にかかった時間が得られない。ということは、距離がわからないのです。

パルス法に話を戻します。

往復にかかった時間がわかれば、あとは超音波が進む速度がわかればよいのでしたよね。ところで、超音波が生体内で進む速度はどれくらいでしたっけ?

憶えてますか?

憶えている人も組織の音速について復習してみましょう!

「組織の音速って」?? (バックナンバー18号より)

雷や花火は、光より音が遅れて聞こえてくるのは体験的に知っていますよね。そして、音は通過する物質によって伝わる速度が違います。

これも知ってますね。雷や花火の場合は空気中を伝わるので、音が伝わる速度は約340m/secです。

では、水は?

1480m/sec(20℃)です。 空気中の4倍以上のスピードですね。よく水の中は音が伝わるのが早いと言われますが、本当なのです。

このように身体の中も、組織によって音が伝わる速度が違います。一般的に肝臓であれば1500~1600m/secくらい、骨は2500~4500m/secくらいといわれています・・・

思い出しました?

音響インピーダンスの時に出てきたヤツです。

ここで問題となるのが、生体内を「音波」が進む速度です。

肺と肝臓 全然スピードが違いますよね。

骨と筋肉 これもスピードがまったく違います。

このように、臓器や組織成分によって「音波が進む速度」が違うということが問題になります。装置は自動で臓器を見分けることもできなければ、臓器ごとに設定速度も変えられません。ましてや、装置が「この膵臓を音波が進む速度は●●m/secだ!」なんて分かる訳がないのです。

ですから、超音波診断装置では生体内で超音波が進む速度を“1530m/sec”と仮定して距離を計算しているのです。 ←これ、とっても重要ですよ!

いま画像に映っている臓器・・・

例えば肝臓が映っているとします。

超音波が肝臓の断面を0.0001秒で往復したとすると、装置は速度を1530m/sec”として計算しますから、肝臓断面の長さは 0.0001 × 1530 = 15.3cm です。(計算合ってる?)

超音波が肝臓内を進むスピードが、本当は1600m/secだったならば、本当の長さは 16.0cm ですね。ということは、実際より3mm短く表示されていることになります。

ですから・・・

“装置に表示される距離は、本当の長さを表してないのです”。

さらに~

超音波の性質である屈折によっても像は歪められます。多重反射が後方にできている場合も実際より長くなることもあります。小さな結石やポリープなんかは、サイドローブで横方向に広げられて画像化されたりします。

これもまたいろんな要素が絡み合っているんですね。(だからエコーは難しい?) まっ 通常は気にするレベルの誤差じゃないんですけど、知っておかなくっちゃならないことです。

前回は頸動脈のIMTというコンマ何mmって話をしてたので、「そもそもエコー自体、正確な長さを測れるものでもないしね♪」なんて意見が出てきたんです。

そこにいた数人はほとんどが超音波検査士でしたが、一人だけ違ったんですね~

かわいそうに・・・

「おまえは基礎からやり直せ」なんて責められてました (^^;

◆編集後記

使用期限? 併用不可? そんなものはどうでもいいから、早く治って~!家にあった抗生剤やら解熱鎮痛剤、咳止めを引っぱり出してとりあえず飲みまくりました。(皆さんは真似しないように)

やっと風邪が治ってきました。 ^^)v

ところが・・・

今度はお腹と背中に“ブツブツ”発疹が・・・

ゲッ(泣)

初心者に最適!丁寧でわかりやすい超音波ハンズオンセミナー

初心者に最適! わかりやすく丁寧な超音波セミナー

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする