初心者のための無料超音波セミナー
ふ~ 今日は朝から「ドタバタ」です。
まず一人目は「腹部動脈瘤」が急に大きくなって危険な状態になっていた方。そして、次は大腸がんが肝臓に転移していた患者さん。
終わってホッとする間もなく、救急車が2台一緒に到着。
2人ともに症状は腹痛です。
1人は虫垂炎。もう一人は痛みで七転八倒していました。エコーの結果は尿管結石。何回もエコー室と診察室、救急室を行ったり来たりして、さすがに疲れました (^^;
ってことで 手があいたからメルマガ書こっ ^^v
「ヤバッ」 ○○見るの忘れた。
「あ~」 一番重要な写真を残し忘れた~
「う~ん」 見落としてないか不安・・・
こんなことにならないように・・・
エコーは順番を決めて検査しましょう!
検査が終わってから公開することがあります。「なんで あそこをちゃんと診なかったんだろう」ってね。
見逃しをなくし、効率よく検査をおこなっていく上でも、いつも同じ手順と順番で検査しましょう!
ところで、検査を行うための順番ってあるの?
あります!
それは施設ごとに決まっていることもありますし、自分なりの順番を決めても良いと思います。毎回同じ手順を踏み、同じ順番で検査を行なうことが大切です。
ただし、この手順と順番は適当に決めてはいけません。検査の順番は、それなりの理由があって決められるものです。例えば、腹部エコーの時、私は「膵臓」から始めます。
なぜか?
膵臓は、消化管内の状態で描出範囲が大きく影響を受けやすい臓器です。消化管内の内容物やガスの位置によっては、全く見えない場合もあります。初心者にとっては、膵臓の「す」の字すら判別できない・・・なんてこともありますよね? ^^
まっそれはいいとして、こんな時はプローブで強く圧迫したり、呼吸の調節をしてもらったり、体を横に向けてもらうことや、上半身だけ起こしてもらう。こんなことをすると、膵臓を描出できることがあります。
これは胃や腸内のガスを移動させたり、お腹の中の臓器の位置関係を変えて、膵臓の前にある邪魔なもの (超音波が透過しにくいもの)を どかせた結果、描出することができたのですね。ですから、体位変換をする時に体中にエコーゼリーが「べたべた」についていると、それを拭き取ったりする手間や時間がかかって
しまいます。
無駄な手間や時間は、できるだけ省きたいものです。
そして、胃や腸の内容物は普通 消化管の蠕動運動によって次から次へと肛門側に向けて移動していますよね。ですから、膵臓の前にある消化管内の状況も刻々と変化している訳です。
さっき見た時は膵体部の一部分しか描出できなかったのに、数分後には頭部から尾部までの全体像がハッキリみえた!なんてこともよくあるのです。時間を追って状況が変化する部位は、ちょっと時間をあけて観察することも大切です。
最初に検査ができなかった場合はあとで見てみる。
つまり、最適な状況で検査ができるチャンスを多くするのです。チャンスは1回より多い方がいいにきまってますよね。^^ 私はこんな理由で最初に膵臓から検査をはじめるようにしています。
他にも検査の順番を決める場合に考えることは、プローブの移動距離をできるだけ少なくすることや、装置のボタン操作を少なくする工夫ですね。エコーは頻繁に装置を調節したり、様々な機能を駆使して検査をすすめていきます。
特にドプラを多用する心エコーや血管エコーでは、さらに複雑かつ慎重な操作が必要です。できるだけ少ない操作ですませた方が疲れも少なくてすみますし、
集中力も持続します。
ちょっとの時間ロス、そして無駄な操作も「塵も積もれば・・・」ですね。
患者さんの負担も少なくてすみます。
効率よく、そして正確な検査を行うためにも「手順と順番」はよ~く考えて決めましょう。そして、いつも同じ「手順と順番」で行うことがミスや見落とし
のない正確な検査を実現します。
ただし、ここで注意してもらいたいことは、決めた順番は必ず守らなくちゃあならないものではないということです。緊急検査では必要な情報だけを短時間で得ることが大切です。検査の目的や患者さんの状態によって変更することもあります。追加して違う部位を検査する必要があることも出てくるでしょう。
マニュアル人間になってはいけません。時と場合によって柔軟に使い分けましょうね!
で、結局どっちやねん!?
◆編集後記
いつも偉そうに検査している技師さんが、超音波の原理をわかってないことが発覚しました!
頚動脈エコーで椎骨動脈にドプラをあてながら、「この装置、パルスがのりにくいな~」。
そりゃそうでしょ そこからエコーを入射してもね ^^
こんな事 今さら人には聞けない!ってことが書いてあります。
さぁて、もう一仕事! ^^;