エコー検査と血管

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今日はエコーと血管について考えてみましょうか?

頸動脈や上肢・下肢の動静脈といった血管エコーが、最近注目を集めていますね。

A man is as old as his arteries  ← これ知ってます?

「人は動脈とともに老いる」ですね。William Oslerさんが言った言葉です。また「人の寿命は血管の寿命」とも例えられるほど、血管は人の身体で重要な役割を果たしていることは みなさんご存知のとおりです。今後、「生活習慣病」や「動脈硬化」とエコーは切り離せないものになっていくでしょうね♪

血管を調べる検査は?

カテーテル?

それとも造影?

いやいや、やっぱりエコーでしょ!

話が逸れました ^^;

今日は血管エコーの話ではありません。”血管“ と ”エコー”です。

血管とエコー検査

ところで、ちょっとプローブを自分のお腹にあててみて下さい。どこを見ても血管が映し出されるはずです。(たぶん  ^^; ) っていうか、今そこに装置があるわけないですよね m(__)m

まぁいいや・・・

本題を続けます ^^

血管とその走行、そして血液の流れをしっかり理解しておくことが、我々超音波検査を実施するものにとっては、色々な意味でとても大切な事なのです。

エコーの結果報告

エコーで何らかの異常所見をみたときには、その異常所見の内容を報告します。例えばこの時「肝臓に3センチ大のmass(腫瘤)があります」みたいな報告をすると・・・、当然 怒られます ^^

「肝臓のS4に3センチ大の高エコー腫瘤があり、この腫瘤の辺縁は・・、境界は・・、内部は・・、後方エコ-は・・」というように、超音波初見を具体的に細かく報告しなければ、精密検査としてのエコーの意味がありませんよね。

ここで、まず知りたい情報

それは「どこにあるのか」です。「肝臓に・・・」だけでは情報として全く足りません。もしそれが治療が必要な腫瘍の場合は特に解剖学的な部位の特定が必要です。

「肝臓のS4に・・・」というようにですね。

「S4」??

って人がいるかもしれませんので、ちょっと説明しますね。肝臓の区域分類方法で、代表的なのがクイノーの肝亜区域分類です。肝臓を8つに分けて、区域診断に用います。他にも肝臓の区域分類方法はたくさんありますが、エコーで肝臓
の区域分類に用いられているものは、一般的にクイノーの肝区域分類です。

また本題に戻ります。クイノーの分類で肝の亜区域を特定する場合の目安は、門脈と肝静脈ですよね。そう、「血管」です。

同じように膵臓の頭部と体部の境界は?

血管です。

このように臓器の解剖学的な部位や境界は血管を指標にされていることがありますので、やっぱり主要な血管の名前と走行は知ってないとマズイですよね。

では次に「異常エコー像と血管」です。

異常エコー像と血管

「動脈瘤」や「血管炎」「血管の狭窄・閉塞」のように、血管それ自体のエコー像が疾患やその病態をあらわすこともあります。しかし、エコーで発見・診断される疾患の中では、病気の結果として血管に変化が起ったり、異常な血管像に見えたりするものをとらえるといった場合も多いのです。

慢性肝炎や肝硬変でみられるのは、肝内を走行する血管の狭小化や、血管径の不同ですね。また正常では見られない「側副血行路」も大切な情報です。うっ血肝では逆に呼吸で径が変動しない「拡張した肝静脈」が特徴的です。脂肪肝の所見の一つは「血管の不明瞭化」。アルコール性肝炎やオスラー病では「肝動脈の拡張」・・。

肝臓でちょっと考えただけでもこんなにたくさんあります。正常な血管の位置や太さ、走行、エコー像。そして異常な血管像と、その像に対応する疾患。

知らないとマズイですよね~。

まだまだありますが、長くなるのでまた今度!

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