「おい、お前!」
「今、ちょっときれいに出せた思うて、満足しとったろ」
「顔、ニヤけてたで」
「でも、ダメダメや」
「画面からなくなってまうの コワ~なって、
手ぇ ガチガチになっとるやないか!」
「ほら! そこ、ちゃんと見たんか?」
「いっつも端っこまで見ろ ゆーてるやろ!」
「あとな、コワがらんと、もっと手を動かしーや」
「色んなとっから見なアカンで!!」
こんな言葉を師匠から浴びせかけられた新人君は、その後コツコツと努力を重ねて、今や立派に独り立ちしています。もうすでにベテランの域に達してはいるのですが、いまだに「この頃教わったことが役立っている」と、師匠には大変感謝しているそうです。
彼が師匠からよく叱られた部分は3つ。
○「端っこまでちゃんと見なアカン」
○「色んなとこから見なアカン!」
○「いらんことで時間無駄にすな! アホ!!」
だそうです。。 ^^;
1つ目の「端っこまでちゃんと見なアカン」ですが、これはもう、エコーは装置が画像を勝手に出してはくれませんからね~。やっぱり自分で超音波を端まで向けてあげなくちゃなりません。
よく最初の頃に「振りが甘い」とか「見えなくなるまで振りなさい」なんて教えられるところだと思います。これは、いわゆるピットホールをなくすため。または、そのような意識を持って検査にあたるために必要なことですね。
そして、次のポイントも、すごく大切ですよね~。
「色んなとこから見なアカン (--メ 」
エコーは「多方向から観察しましょう」と本には書いてありますが、その「本当の意味を理解している方」と、「そうでない方」では、検査の内容に相当大きな差が出るんじゃないでしょうか。。
そう・・・。
あまり意識されていないかもしれませんが、エコーはできるだけ色々なところから見ることがとっても大切なんです。その理由はバックナンバーのあちらこちらにありますので、「忘れちゃったよ」という方はご確認下さい。
⇒ ばっくなんばー
3つめ。。
「いらんことで時間無駄にすな! アホ!!」
こ、これは・・・
たぶん、私の推測ですが、いわゆる基準値や正常値といわれる数値だけに、こだわり過ぎたのでは? と推測します。エコー本来の目的や役割といった基本的な部分を履き違えてしまうと、不要なことに時間を費やしてしまいがちです。
十分に気をつけましょう♪
◆編集後記
そういえば、先日、以前大変お世話になったエコーのスペシャリストの方にお会いしたんです。。
色々と話をしているうちに、その方がエコーを始めた頃(もちろんアナログ装置の時代です ^^)の話題になってきたのですが、それがもう、ありえないような笑えるエピソードが満載^^
せっかく面白かったので、1つだけ勝手に紹介しちゃいますね♪
ある日、腹部エコーを始めたばかりの若~い女性技師さん(例のスペシャリスト:Kさん)は、胆嚢の検査を一生懸命にしています。
その後方では教育係の先輩(A)が、検査中ずっと画像をチェックしながら目を光らせている。。
後ろの目が怖いので、Kさんはいつも以上に念入りに、さらに装置の調節もマメに行ないながら「これで文句ナイでしょう」というくらいしっかり検査しました
・・・が、
突然、後ろから「ちょっと待った!!」コールがかかります。
K:「何かよくない部分がありました?」
A:「よくないも何も、ちゃんと振ってないでしょ」
K:「しっかりと確認したつもりですが?」
A:「そうじゃなくて動かし方が全然ダメ!」
エコーを始めてから今まで、胆嚢の検査は無意識に平行走査を使ってしていたようなのですが、そこをダメ出しされたそうです。
A:「胆嚢は平行走査じゃなくて扇状に振らなきゃダメでしょ」
K:先輩に反抗すると怖いので、とりあえず「わかりました」と。。
K:「でも何でスライドじゃダメなんですか?」
A:「そんなこともわからないの?」
A:「胆嚢がすぐになく見えなくなっちゃうからじゃない」
K:「えっ・・!」
K:「すぐ見えなくなっちゃうから・・ (゜◇゜)?」
これ、聞いた瞬間に私は「そんな理由あるんかいっ!」って爆笑してしまったのですが、本当の話らしいです。
彼女は、この時の意味が今でも理解できず、本人にもそれ以上確認はしてないとのこと。でも、「すぐ見えなくなっちゃう」って一体何なんでしょうね ^^;
他にもいろいろ面白い話があったので、また次の機会に紹介したいと思います。
あ、理由は違いますが、スライドだけってのは、少々問題ありです。