続、超音波の基礎原理(減衰)のおはなし

◆初心者のための超音波検査セミナー

前回の「超音波の減衰」のお話。。思った以上に質問やコメントをたくさんいただいちゃったりして、反響の大きさにビックリしました。

「そういうことだったのね!」とか・・、

「はじめて変えてみました!」とか・・・、

「STCの本当の役割、知りませんでした」

「今まで適当に調節してました」

「色々と応用できそうですね」

 ・・・etc。

なので、

今回は調子に乗って「続編」をご紹介しますね ^^

と、その前に前回の概要とおさらいです。

超音波の減衰 ~おさらい~

まず、超音波は何か媒体を介さなければ進むことができません。(エコーの機械を真空中で使うことはありませんので、これはどーでもイイ話です ^^;)そして、媒体を伝搬するうちに超音波の強さは少しずつ減ってしまうのでした。超音波の強さが減ってしまうことを「超音波の減衰」といい、減衰は媒体の性質(減衰定数)や周波数特性によって度合いが異なる。減衰は到達距離にも依存し、遠くに行くほど減衰量が大きくなってしまう。。

そう、音波は、どうしても少しずつ弱まっちゃうのです。

超音波が弱くなると、画像が上手くつくれないので、観察深度によって異なる周波数のプローブを使ってみたり、STCで改善したりということがされている・・。

そんな内容を書きました。

そうそう、超音波が減っちゃう原因。もう一つ言い忘れてました。それは「反射」。そう、超音波は跳ね返っちゃうことがあります。Bモード画像で輝度の高いところが、強く反射している部分ですね。ぜんぶ跳ねかえってしまうと、そこから先に進めなくなってしまうので、これも超音波が減っちゃう原因の一つといえるかもしれません。

今回のお話

で、そもそも何でこんなことをメルマガで書いたのか?

それには、いくつかのワケがあります。

1つは知っていると「得する」かもしれないから ^^

超音波が減衰すると、ちゃんと画像ができなくなってしまいます。きれいな画像ができなければ、正確な検査はできませんし、ましてや、減衰によって超音波が届かなければ見たい部分を検査することすらままなりません。

ならば、逆に減衰をゼロにできないまでも、何か少し工夫することで減衰を最小限にとどめることはできないのか?減衰する状況を知っていれば、ちょっと考えただけでも、いくつか対応策が考えられますよね。

  1. 超音波のパワーを上げられないか?
  2. 周波数を変えることはできないか?
  3. もしかして、反射の少ないところがあるかも?
  4. 減衰の少ない組織を通して入射してみたら?
  5. もっと近いところから見たらどうだろう?
  6. 無理矢理でも距離を縮めることは可能か?
  7. ○○○してみる
  8. 他にもいくつか・・・
  9. 皆さんの腕の見せ所です ^^

これ、何年もかけて経験の中から時間をかけて体で習得するよりも、知識として持っていた方が早く上達できますよね。エコーは職人技で「数をこなして一人前」なんて言われたりします。もちろん検査数は多い方が上達すると思いますが、「知っている」のと「知らない」のとでは同じ数を経験しても違いが出てくるかもです。

そして、2つめですが、これは試験勉強に役立つかもしれないからです。超音波検査士等の試験を受ける方。そろそろ準備しなくてはと思いつつも、どこから手をつけていいのやらと悩んでいる方もいると思います。

減衰 ← 公式覚えて「ああ、そうなの。」ではなく、色々な関わりから広げていった方が理解しやすいと思いますし、普段の検査と絡めて考えた方が勉強のスピードがUPすること間違いなしです。

3つめ ← また今度!  ( TДT)ゴメンヨー

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