初心者のための無料超音波セミナー
このメルマガに対して、読者の方からたくさんの
感想をもらいました。 このメルマガだけでは、
伝えきれない部分もいっぱいあります。
みなさん、「胆嚢の復習」やってみましたか?
初心者の方には難しい問題だったと思います。
(写真もあまり鮮明でなくて、ごめんなさい)
でも、ちゃんと調べて回答してくれた方も
たくさんいます。こういう前向きに頑張る方は
上達するスピードが速いですね。
▼胆嚢復習問題
それでは解答です!
Q1 ⇒ 5
Q2 ⇒ 胆嚢腺筋腫症
Q3 ⇒ 急性胆嚢炎
Q4 ⇒ 胆嚢結石、スラッジ(腫瘤形成)
Q5 ⇒ 肝硬変
Q6 ⇒ 胆嚢癌
あなたはどうでしたか?
やっぱり、3の写真が難しかったみたいですね。
では、ちょっとだけ解説します。
写真1
胆嚢壁が全周性に肥厚しています。
エコーレベル(輝度)は胆嚢壁より低く、
よ~くみると肥厚した胆嚢壁にRAS
(Rokitansky-Aschoff sinus)がみられ
ます。
( えっ わからない? スミマセン m(__)m )
「comet like echo」があれば、わかりやす
かったのですが…。
ということで、胆嚢腺筋腫症でした。
写真2
これは正解率が高かったですね。
sonolucent layerがみられます。急性胆嚢炎。
でも、典型例ではありません。あまり緊満して
いるようでもないし、結石もみられない。
またdebrisもみられませんよね?
写真3
これは難しい問題です。音響陰影を伴う胆嚢結石
が頚部にあります。問題は内腔にある腫瘤状のヤツ。
実はこれは腫瘍ではなく、スラッジが固まって腫瘤
を形成したものです。肝臓に比べエコーレベルが、
ちょっと高いことで、「あれっ おかしいな」と…。
なりませんね。 m(__)m
こんな像をみた場合にやることは、ドプラや体位変換
プローブで押してみる・・・ などです。
写真4
これは肝硬変です。 肝臓のときに説明します。
胆嚢内に胆泥がありますので、胆嚢の機能も弱まって
いるようです。
慢性肝炎や肝硬変時に胆嚢壁が厚いのは、低蛋白血症
による浮腫を反映していることが多いのですが、急性
胆嚢炎による壁肥厚との鑑別点は胆嚢が腫大している
のか、それとも虚脱しているのか? といったことを
確認しましょう。
写真5
これは胆嚢体部に2ヵ所 広茎で不整な形状をした
隆起性病変があります。エコーレベルは、やや低め。
大きさは2~3センチありそうです。
腺腫と鑑別が必要ですが、ドプラの知識も必要です。
病理検査の結果は、画像 上側→「胆嚢癌」、下側は
→「腺腫」でした。
ややこしい問題でしたね。次回はもう少し典型的な、
わかりやすい写真を載せようと思います。
◆編集後記
ちょうど手元に胆嚢の写真がいくつかあったので、
HPにのせてみました。
静止画だけじゃ難しいですね。
症状や周囲臓器の状況もわかりませんから。。
実際の超音波検査は、リアルタイムに体内の状態を
把握できるので、そういった点で、非常にすぐれた
検査です。
やる人の腕次第ですが…。
まだまだ始まったばかりですから、これから一緒に
頑張っていきましょー
ではまた!