肝嚢胞の超音波像
肝のう胞:liver cyst
肝嚢胞は肝臓の超音波検査において高頻度でみられる腫瘤です。
肝のう胞は内部に漿液を含んだ嚢胞で、胆管との交通はありません。1個~多発していることも多くみられます。ほとんどが無症状ですが、巨大なものでは腹痛や腹部の膨満感を訴えることもあります。
多嚢胞症(polycystic disease)では肝臓の他にも腎臓や脾臓に多発する嚢胞がみられます。
超音波像は辺縁が平滑で、内部が無エコーの類円形腫瘤ですが、隔壁をもつ場合もあり、後方エコーは増強します。
肝臓に後方エコーの増強を伴う嚢胞性病変をみた場合は、すぐに肝のう胞とせずに、血管や胆管との交通があるかを確認することが大事です。カラードプラなどで確認すれば血管性病変(動脈瘤やシャント)と区別ができます。