腹部超音波検査 胆嚢の超音波検査

胆道系の基礎

胆道系を理解するために、まず解剖的な事項について知っておきましょう。

胆道とは、肝細胞から分泌された胆汁が十二指腸に流れ出るまでの通り道で、胆道系は「胆嚢」と「胆管」から成り立っています。

胆嚢の解剖

胆嚢超音波検査で知っておかなければならない解剖です。

胆嚢は、いわゆる西洋梨の形をしています。胆嚢の約1/3は胆嚢窩という部分(肝臓の下側)に結合織という組織で付着していて、残りの2/3は、肝臓と一緒に腹膜(漿膜)で被われています。

胆嚢は屈曲した胆嚢管で胆管につながっていて、嚢状の末端に向かって便宜上、「頸部」、「体部」、「底部」に3等分されています。体部から頸部へ
移行する部分を漏斗部と呼びます。

このような臓器の区域や部位の名称は憶えるのがちょっと面倒ですね。

でも超音波検査の結果報告時には所見の位置を記載する必要があります。また、ある種の疾患では好発部位といって、臓器の中で異常が特定の部分に発生しやすい場合もあります。

そのような場合にも必要な知識ですから、しっかりと憶えておきましょう。

次に胆嚢の大きさです。 胆嚢の大きさは、長径6~8cm、短径2~3cmで、容量は30~60ml程度です。

そして最後に、胆嚢では胆嚢壁の観察がとても重要になります。胆嚢壁は粘膜層、粘膜下層、筋層からなり、厚みは通常1~2mmです。食事をした後、胆汁を十二指腸へ排出するために胆嚢はサイズが小さくなり壁も厚くなってしまいます。そうすると、内腔や壁の評価が困難になってしまいますので、一般的に胆嚢の検査は空腹時に行います。

胆道の解剖

肝臓内の胆管 “肝内胆管”は、門脈に沿って走行しています。肝臓内での肝内胆管と門脈の位置には一定の関係がありますので知っておきましょう。

肝臓内の胆管は、合流を繰り返して左右の“肝管”になり、肝門部から肝臓の外に出ます。

肝臓から出た左右の肝管はその後合流し、合流すると“総肝管”と呼ばれます。さらに総肝管に胆嚢からきた胆嚢管が合流すると“総胆管”に名前が変わります。胆嚢管が肝外胆管に合流する部分を“3管合流部”といいます。

同じ胆管でも場所によって名前が違うので、ちょうと面倒ですね ^^;

さらに胆道癌取扱い規約では、左右の肝管が合流した後を上部胆管、中部胆管、下部胆管の3つに分けています。本の図を見ながらよく憶えておきましょう。

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