腹部超音波検査 腎臓2

腎臓の正常変異と先天異常

腎臓には腎腫瘍と間違いやすい正常変異例があります。

1.ベルタン柱の過形成(Bertin’s column)
ベルタン柱の過形成が中心部エコー(CEC)を圧排する時に腎腫瘍のように観察されることがあります。

腎腫瘍との鑑別は、突出部分が皮質のエコーレベルと同等なことや、血管の連続性などの腎実質構造に異常を認めないことで容易にできます。

2.ひとこぶらくだのこぶ(dromedry hump kidney)
腎実質がこぶ状に外側へ突出している場合、あたかも腎腫瘍に見えることがあります。

ベルタン柱と同様に、突出部分と皮質のエコーレベルが同等なこと、腎実質構造を確認することで鑑別できます。

3.胎児性分葉(fetal lobulasion)
腎臓は約10個の腎葉が集合してできます。胎生期から成長するとともに腎表面は平滑になってきますが葉状の状態が遺残することもあります。

この場合、腎全体に切痕を認めますが、皮質や髄質に異常がないこと、切痕が正常の腎葉間にあることを確認しましょう。

腎臓の奇形

1.重複腎盂尿管(duplicated renal pelvis and ureter)
ひとつの腎臓内に腎盂尿管が重複して存在しています。中心部こうエコー(CEC)が2つに分離してみえるのが特徴です。

尿流のうっ滞を起こしやすく、特に上極側は水腎症になりやすいので注意が必要です。

2.馬蹄腎(horseshoe kidney)
胎児の発育の過程で、左右の腎臓実質の一部が融合することで起こる先天性の奇形です。融合部分はほとんどが下極側です。

初心者に最適!丁寧でわかりやすい超音波ハンズオンセミナー

初心者に最適! わかりやすく丁寧な超音波セミナー

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする