腹部エコーで最初に誰もが苦慮するのは「膵臓」だと思います。超音波検査で膵臓が難しい理由は、臓器の境界が不鮮明なことであったり、周囲組織との輝度に差がないことも良くあります。また、消化管の影響を受けやすい位置にあることも大きな理由の一つですね。
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膵臓の描出のコツ
プローブを当てれば簡単に描出できちゃうケースはイイとして、やはり最初は膵臓の描出に手こずることが多いのではないでしょうか?
超音波検査で膵臓を「素早く・確実に・かつキレイ」に描出するコツは、
まず解剖の理解が大切だと思います。
解剖と言っても、膵臓自体よりも周囲の血管の方が大事かな・・?
腹部大動脈(Ao)、下大静脈(IVC)、上腸間膜動静脈(SMA、SMV)、腹腔動脈(CA)、脾動静脈(SA,SV)、総肝動脈(CHA)
・・・。
このあたりの血管と膵臓の位置関係はキッチリ理解しておきましょう。
で、やっぱり一番のメルクマールになるのは脾静脈かと思います。
脾静脈がみつかれば、その前に膵体尾部はあるはずなので・・。
その脾静脈を見つけるために、腹腔動脈や脾動脈、総肝動脈、上腸間膜動脈などが参考になります。
膵臓を見つけたあと
そうは言っても、消化管ガスに遮られてメルクマールとなる血管さえも発見できないことが往々にしてあったりします。
そんな時は、肝左葉とAoの位置関係を矢状断面にて確認することで、膵臓のおよその深さを知るといいかもしれませんね。それによってガス像の中からでもメルクマールとなる血管が探しやすくなると思います。
ともかく見つけることが先決。そして見つけたら、次はキレイな画像にしていきます。
まずは角度の調節、そして音響窓の調節をすればOK!
ここはよくみて患者さんの状況に応じてということになります。
慣れると、ここまでの流れを一瞬でやってしまいますが、最初は1つずつ、ゆっくりやってみた方がいいのではないかと思います ^^;