超音波の原理「プローブ」について

初心者のための無料超音波セミナー

私はエコーセミナーや超音波勉強会によく行きます。

「近い・遠い」「有料・無料」には こだわり ません。よいセミナーだと思えば新幹線に乗ってでも行きますし、値段が少々高くても、私に必要なものであれば行きます。

「タダだし、近いから行こう!」 ←これはやめましょうね。 (^^;

会場までの距離や講習会の値段ではありません。

「いま自分に必要なことは何か?」 ←これが大事です。

例えば「基礎や原理」なのか

または「技術的な部分」なのか

それとも「病態の知識」なのか

「超音波検査士受験のための対策」なのか

ちゃんと考えましょうね!

超音波の原理「プローブ」

超音波診断装置でプローブは一番重要な部分かもしれません。

なんてったって超音波を発生させて、送信と受信をする部分ですからね。プローブがなかったら超音波装置なんて、な~んの役にも立ちません。

ただのクズ??

いやいや、DVDプレイヤーやビデオレコーダーの代わりには使えます。

でも、ちょっと大きすぎますか・・・(^^)

さて、本題に入ります。

プローブは用途に合わせて色々な種類があります。穿刺用とか、術中、体腔内といった、特殊なプローブもありますが、一般的に用いられるのは、コンベックス・リニア・セクタの3種類ですね。

それぞれに特徴があって使い道が違いますが、プローブの基本的な構成は、どれも同じです。人の身体に触れる部分から順に、音響レンズ・音響整合(マッチング層)・圧電素子(振動子)・バッキング材というような構造になっています。

まず一番大事な「圧電素子(振動子)」

これが超音波を発生する重要な部分です。

圧電素子は、電圧をかけると歪む性質を持つ材料で、歪んだときに超音波を発生します。逆に超音波があたると、歪んで電気を発生します。この性質を利用して超音波の送受信をしているわけですね。

でも圧電素子だけでは、うまく超音波をコントロールできません。その前後にちょっとした細工が必要になります。

ダンパー(バッキング)

振動子から発生した超音波は前だけでなく後にも向かってしまいます。後方に向かう超音波を吸収して余分な振動を抑えるため、圧電素子の後に「バッキング材」というものが付いています。余分な振動を抑えることによって超音波のパルス幅が短くなり、距離分解能の向上にも役立っています。

音響整合層(マッチング層)

振動子の前側には音響整合層(マッチング層)があります。振動子と人の体では音響インピーダンスの差が大きく、超音波ビームが反射してしまって効率よく生体内に伝わりません。

ですから、振動子と人の体の音響特性インピーダンスをもつ物質を間に入れてあげる必要があります。それが音響整合層(マッチング層)です。音響整合層を間に入れることで、超音波の反射を最小限にします。

音響レンズ

最後に「音響レンズ」です。音響レンズはプローブの先端についている白~グレーの色をしたゴムのような部分です。材質はシリコンゴムがよく使われれているようですが、もちろん重要な役割があります。

音響レンズの役割は「スライス方向の分解能を高くする」です。超音波の性質である屈折を利用して、超音波ビームを絞っているのですね。音響レンズがないと、プローブの厚みの中にあるものが画面にすべて表示されてしまいます。プローブの厚みは2cmくらいありますから、2cmぶんの情報が一つの画面に表示されてしまう。

とてもじゃありませんが検査になりません。それでなくても胆嚢の中に消化管がみえたり、血管の中に血管壁が映りこんで見ずらいということは、みなさん経験したことがあるでしょう。ですから超音波断面のスライス幅(厚み)は、できるだけ薄い方がいいのです。

音響レンズは、超音波断面のスライス幅を薄くするために、超音波ビームを絞る役割をしています。

基本的なプローブの構成はこれだけです。

超音波検査をやるからには、いちおう知っておきましょうね!

◆編集後記&懺悔コーナー

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でも 「赤プり」 行ってみたかったんです・・ (^^;

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