超音波の原理7 「STC」

【STC】(sensitivity time control)

超音波は体の中を進んでいく過程で減衰してしまいます。

人の声も近くではよく聞こえますが、遠くにいるとだんだん聞こえる声は小さくなり、もっと離れるとやがて聞こえなくなってしまいます。

超音波もこれと同じことが言えます。

プローブに近い部位と体の深い部位では、超音波ビームの進む距離が違いますね。

超音波ビームの進む距離が長いほど、超音波が減衰する量が多いはずです。

体の深い部分では超音波の減衰する量が多いため、浅い部位に比べて反射波の強さがどんどん弱くなってしまいます。

ということは、本来なら同じエコー輝度であるはずなのに深い部分は輝度が低くなってしまうということですね。

浅い部分より深い部分の増幅感度を上げることで、浅い部分から深い部分まで一定のエコー輝度で表示することができます。

これがSTCです。

STCとTGC(time gain compensation)は同義語で、超音波機器メーカーによってはTGCを使っていることもあります。

また、STCもゲインと同様に一度調整したら終わりではなく、常に調整しながら検査を進めることが大切です。

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