超音波の原理11 「分解能」

超音波の分解能

超音波診断の診断価値は、体内を「より細かく忠実に再現」できた方が高いのは言うまでもありません。

超音波診断装置の分解能は非常に優れていて、今やミリ単位での識別が可能になっています。微小石灰化のように、周囲組織との音響インピーダンスに差が大きい場合、0.1~0.2㎜の反射体でも描出ができます。

この識別能力を分解能といい、「近くにある2つの物体を2つのものとして区別できる距離」を「mm」で表します。

分解能の種類

超音波診断B-モード表示は、生体内を2次元的に画像で表示しますが、この時に縦方向と横方向、そして奥行き方向に対して分解能を考えることが必要です。

エコーの空間分解能の種類には次のようなものがあります。

1.「距離分解能」

深さ方向の分解能。画面上では上下方向(超音波ビームの進行方向)です。これを「距離分解能」といいます。

2.「方位分解能」

次に画面上で左右方向。これは「方位分解能」といいます。

3.「スライス分解能」

そして、もう一つがプローブの厚み方向の分解能。画面上では奥行きですね。これは「スライス分解能」と呼ばれます。

分解能向上のための技術と対策

超音波検査では、より正確な診断を行うために状況に応じて最適な分解能が得られるような方策や装置の調節を心がけることが大切です。

分解能を向上させるための技術や対策には、「超音波パルスの持続時間(パルス幅)の短縮」や「周波数を上げる」、「フォーカシングによる分解能の向上」などがあります。

ただし、これらは感度の低下を招いたり、深部の観察が困難になることもあるため、超音波の原理をしっかりと理解した上で慎重に調節、操作しましょう。

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