超音波の原理10 「音響インピーダンス」

超音波の画像表示

超音波診断の表示法「Bモード」は白黒のグレースケール表示画像です。

Bモードは超音波の反射信号(プローブに返ってきた超音波)の強弱を輝度として二次元的に表示しているのです。

それでは、「反射波の強弱」は何が原因で起きるのでしょうか?

音響インピーダンス

プローブから送信された超音波が生体内を進む時、組織間に音響インピーダンスの差が大きいほど、超音波は強く反射され、逆に音響インピーダンスの差が小さいと、超音波はあまり反射せずに透過する量が多くなります。

超音波の反射は音響インピーダンスに差があるために起こるのです。

「音響インピーダンス」?

簡単に言うと「組織固有の抵抗値」と考えてもらうとよいのではないでしょうか。

音響インピーダンスは「組織の密度×組織の音速」で表されます。

密度はともかくとして、「組織の音速」とは??

空気中を音が伝わる速度は約340m/secです。水の中では約1480m/sec(20℃)ですから、空気中の4倍以上のスピードで音が伝わります。

これと同じように、身体の中も組織によって音が伝わる速度が違うのです。

一般的に肝臓であれば1500~1600m/secくらい、骨は2500~4500m/sec
くらいといわれています。

音の伝搬速度

媒  質 速度(m/s)
空気(20℃) 344
水 (20℃) 1482
脂  肪 1450
肝  臓 1549
腎  臓 1561
脾  臓 1566
血  液 1570
筋  肉 1585
頭  骨 4080

音響インピーダンスは密度×音速ですから、組織によって持っている音響インピーダンスが違うのです。

超音波の反射は音響インピーダンスに差があるために起こります。

体の中は様々な細胞や組織からなっていますので、組織と組織の間で音響イン
ピーダンスに差があります。

音響インピーダンスに差があれば、そこに反射がおきる。
組織間で音響インピーダンスの差が大きいほど反射が強くなります。

反射が強いと、輝度が高く(白っぽく・エコーレベルが高く)、逆に組織間の音響インピーダンスの差が小さいと、輝度が低く(黒っぽく・エコーレベルが低く)なるのです!

この理屈は理解しておいてくださいね。

WEBで学ぶ! 超音波検査士が教える超音波の原理習得術!

初心者に最適!丁寧でわかりやすい超音波ハンズオンセミナー

初心者に最適! わかりやすく丁寧な超音波セミナー

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする