ここのところ「ドプラ」について書いています。
(といっても、たった月2回ペースですが ^^;)
ドプラは、多くの方が手こずっているようで、
質問もた~くさん届きます。
でも、エコーをやる人にとって、
ドプラが使えないってのは死活問題ですもんね。
(ちょっと大袈裟か)
で、まだ質問への返事が来ない方は、
もうちょっと待ってて下さいね m(__)m
えっと、前回は「ドプラの角度依存性」に
ついて話しましたが、
今日はその続きというか補足です。
あっ、その前にちょっと「お知らせ」
があります。
今年も医用超音波の基礎の勉強会を
開催しますので来年に超音波検査士を
受けようと思っている方は参加してみて
くださいね。
題して
「超音波検査士 受ける人で、基礎に困っている人 集まれセミナー!」^^
はい、ではいきましょ~!
▽また また また「ドプラ」について
ドプラには角度依存性があって、血流に対して「真横」から超音波をぶつけると「ドップラー効果が発生しない」ということを前回書きました。
血流に対して超音波を「真後ろ」、
または「真直ぐ前」から入射しましょうと。。
でも、これができれば苦労は
しないんですよね~。
実際にエコーやっていても、
ドプラを使うときに真後ろや、
真直ぐ前から入射できること
の方が少ないと思います。
そんな時はですね。
しょうがないから、
斜めに入射しましょう!
横からはダメです ^^
でね、できるだけ「真後ろ」、
または「真直ぐ前」から超音波を
入射したいので、装置には親切に
超音波ビームを斜めに振る機能が
付いています。
よく聞く「スラント」とか
「ステアリング」っていう機能です。
カラードプラのボタンを押すと、
カラーエリアやROIとかいわれる
平行四辺形が画面に出てきますよね?
パルスドプラのボタンを押すと、
斜めにドプラの線が出てきますよね?
あれ(スラント)は、電気的に
超音波ビームを斜めに振る機能で、
できるだけ
「血流と超音波ビームのなす角度」を
小さくするために付いているんですね。
とっても便利です ^^
ともかく、ドプラを使うときには、
スラントを利用したり、アプローチする
位置を変えたりしながら、血流と超音波
ビームのなす角度を小さくすることが
大切ですよってことです。
(中にはステアリングを使って、わざわざ
横からあてている写真をみますので^^;)
次に、斜めに超音波ビームを入射した場合。
この入射角度(cosθ)は、当然ドップラーの
公式に組み込む必要があるんですね。
つまり、血流に対して、超音波をどのくらい
の角度で入射しているのかってことが、
計算する時に必要なのです。
これがわからないと、
正確な血流速度が求められません。
装置は、そんなにスグレモノではないので、
血流に対して、「いま超音波をどのくらいの
角度で入射しているのか」といったことが
わかりません。
ですから、これを教えてあげる必要があります。
「角度補正」なんていわれているものですね。
「角度補正」なんてヤヤコシイ名前がついて
いるので、わかりづらいのですが、
要は、血流に対するビームの入射角度を装置に
教えてあげるためのものです。
これを適当にすると、計算で出てきた値が、
間違ったものになってしまいますので、
装置にウソを教えないように注意しましょう ^^
ドプラって、意外と面倒ですね ^^;
あ、まだお話しすることがありました。
もうちょっとです。
パルスドプラで血流に対するビームの入射
角度ですが、心エコーでは20°以内、
頸動脈エコーでは60°以内でやりましょう
といわれます。
これはですね、いくら装置に入射角度を
教えてあげて、ちゃんと計算したところで、
計算で出た値(血流速度)は、入射角度が
大きくなるにつれて誤差も大きくなって
しまうからです。
例えば、血流と超音波ビームの入射角度が
68°で血流速度を計測しました。
角度補正をして、
ちゃんと数値も100cm/秒と出ました。
ところが、これは誤差が大きくて、
正確なデータではないということです。
このまま結果を出してはいけません。。。
つづくかも?
◆編集後記
超音波検査士に「血管」が増えましたよね。
地震後、被災地では下肢血管エコーが
大活躍しているようです。
う~ん、ドプラ ますます大事です。。。