先日、ちょっとだけ暇な時間があったんですね。
その時にエコーの「エの字」も知らないK子さんが、
「ちょっと私にもやらせてっ!!」
という顔をしていた(少なくとも、私にはそう
訴えているように見えた)ので、
しかたなく 「落すと高いから気をつけてね」 と、
恐る恐るプローブを手渡しました。
S:「ここらへんに水風船みたいなのが見えると思うよ」
胆嚢あたりを指さしてみると・・・、
K:「こんな感じですか?」
意外にも上手に胆嚢が画面に出ています。
S:「スゴイね!!」
あまりにも簡単にできてしまったので、ちょっとだけ
イジワルして、全然違うところからのアプローチを
試してもらいました。
S:「今のヤツ、ここから出してみて」
すると、今度も予想に反して簡単に画像を出します。
S:「も、もしかして・・・ やったことないよね?」
K:「はじめてですけど。 何で??」
S:「・・・ イヤ、別に。。」
S:「じゃあ、ここからは?」
K:「こんな感じかな♪」
K:「これって、懐中電灯で照らしてるみたいで楽し~ですね!」
・・・ ○| ̄|_
初心者のための超音波検査セミナー
▽簡単な基礎のお話。。
皆さんが日頃手にしているプローブの
先端にはゴムみたいなものがついています。
これ、音響レンズなんて言われます。
そのゴムの中には超音波を出したり、
受け取ったりしている素子と呼ばれるものが、
短冊状だったり、碁盤の目状にズラッと
たくさん並んでいるそうです。
そして、その素子からは目には見えない超音波を
短時間に何回も出し入れしていて、その情報を
元に断層画像をディスプレイに表示している。。
超音波は、小さい1つの素子から細い1本線で
出そうとしても、四方八方あっちこっちに
散らばってしまい、ぜ~んぜん検査に使えない
らしいので、ある程度の太さを持つビーム状として
出しているそうです。
超音波は幅のあるビーム状にしてあげることで、
目当ての方向へ真っ直ぐに進んでくれるようになり、
これで、めでたく診断に使える画像が得られるように
なりました。
ただ、少し困ったのは、そのままだとボヤケた画像に
なってしまい、あまり細かいところまで観察すること
ができません。
そこで、使う超音波パルス信号の長さを短くしてみたり、
超音波ビームを細工して細く絞ってみると、
画像がクッキリとキレイになってきました。。。
▽どう照らす?
さて、この目に見えない超音波ビーム。
1秒間に何回も出し入れしながら、プローブの種類に
応じて、薄い断面状からの反射信号を収集します。
画面に表示されるのは断層面の画像なので、懐中電灯の
ように丸く広い範囲を一度に照らし出すことはできません。
でも、超音波を目当ての場所へ向けることくらいならば、
初めて触った方であっても さほど難しいことではないと
思います。
画面を食い入るように見つめるよりも、対象物の位置や
角度をイメージして懐中電灯感覚で照らしてみることで、
案外簡単に画像が映し出されてくれるかもしれませんね。
もし、みえない時は、全然違うところを照らしてしまって
いる可能性があります。
または邪魔者に遮られていることも考えられます。
時に自分の手を見て、目的部位を上手く照らせているか?
邪魔者が存在するならば、それは何か?
そんなことを確認し、そして、超音波画像のでき方と
前々回の「Image」・「Creativity」を駆使してみる。
すると、
何かしら解決の糸口が見えてくるのではないでしょうか?