超音波装置の周波数って変えてます?

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▼誰もが嫌いな超音波の基礎 その3

最近の超音波装置は1本のプローブで

周波数の切り替えができます。

10数年前には考えられなかったことですね。

超音波検査ではふつう2.5~12MHz(メガヘルツ)

くらいの周波数を使って検査をします。

わざわざメーカーが周波数を変えられるように

してあるからには何か意味があるはずですよね。

『周波数』

超音波検査で使う場合の周波数は、できるだけ

高い方がよいのです。

周波数が高いということは、音の波の間隔が狭い

と思ってもらうとわかりやすいと思いますので、

そんな風にイメージしてください。

超音波の検査では、この波の間隔が短いほど、

細かいものを認識できるのです。

例えば1つの波の大きさが10cmある音波で

検査をしたとします。 調べたい対象物の中に

1cmの物が5個あったとしても、1つとしか

認識できません。

つまり、1つの波の幅より大きいものしか見分け

がつかないんですね。

ですから、波の間隔をとても狭くすれば(周波数

を高くすれば)、より細かいものが正確に見える

というわけです。

これを「分解能が高い」ともいいます。

ということで、できるだけ高い周波数で検査を

することは、より正確な検査につながることに

なります。

じゃあ 高い周波数を使えばいーじゃん!

ところがどっこい、そう単純にはいきません。

プローブの周波数と値段は比例するみたいなことを

メーカーさんが言ってました。 高周波のものは、

つくるのも難しく値段も高いそうです。

あと、音波にはさまざまな特性があって、なかなか

こちらの思い通りにはなってくれないのです。

“高い周波数”の音波は遠くに届きにくく、途中で

なくなりやすいのです。

逆に“低い周波数”は遠くまで届くのです。

理由を書くと長くなるので、また今度。

自分でも調べてみてくださいね。

ですから、心臓とか腹部の深い場所を検査する

場合は、分解能以前に音波が長距離を行って

帰ってこれなければ検査になりません。

なので、しかたがなく低い周波数を用います。

身体の表面近くのものを検査する場合は、

音波があまり遠くに届く必要がないので、

できるだけ高い周波数で細かいものまで

観察できたほうが良いわけです。

ちょっと前までは、1本のプローブで周波数は

1種類でした。

検査する時に「もうちょっと奥がみたい」という

場合はプローブを持ち替える必要があったのです。

でも今は、「カチッカチッ」とボタンを押すだけで

周波数が切り替わっちゃうわけですね~。

とっても便利な世の中になりました!

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