頸動脈エコーを始めたのですが・・・、
- キレイな画像が出せない
- IMTの計測の悩み
- ドプラが上手にできない
- ICAの出し方 教えて!
- そもそもECAとICAの区別が・・
- アーチファクト? それとも プラーク?
- VAってふつうみるものなの?
- VAがみつからない!
- PIとかRIって?
- 甲状腺 どうしてます?
- ・・・
あ、私だ!!
と思った方が数十名いるはず ^^
頸動脈の検査に質問が多いのは、今までは実施していなかったけど、人間ドック等の健診や慢性疾患の患者さんに対して今春から新たに開始する施設が多いからなのかな?
なんて思いますが・・・、
それはさておき、頸動脈の検査はプローブを首にあてただけで簡単に画像が出てきますので「チョロイ」と考えがちですが、いざやってみると、これが意外に手強い。。
皆さんが困るのも頷けます。
ということで、今回はちょっとだけ真面目にいきます ^^
▽ 頸動脈エコー検査のコツ
実は頸動脈エコーの「コツ」っていっても同じ超音波検査ですから、あまり「コレッ!!
」っといったコツのようなものはなく、他の領域となんら変わりありません。
しいていうなら「高周波プローブを使う」、「意外に複雑な構造をしている」、「浅い領域の検査」ということ。そして、超音波ビームに対して直交方向に走行している血管にドプラを使わなければならないということでしょうか。。
頸部血管はプローブに近い部分の検査になりますから、高周波のリニアプローブを使用するのはいいと思います。逆に言うと、高周波でなければ詳しいことが調べられないから動脈硬化を頸動脈で診る理由の一つになっています。
話を戻して。。
最近は周波数を切り替えられる機種がほとんどですから、首の太い方や、ちょっと深い血管を検査する場合には周波数を下げたりという調節が必要ですね。
その他にも最低限GAINやSTC、FOCUSくらいは調節しながらやらないと良い画像は得られません。また、できるだけ大きな画像で検査した方が詳細な情報が得られるので、DEPSやZOOMで拡大した方がいいと思います。
ということで、装置の設定や調節はすごく大事です。
次に、頸部は意外に(音響学的に)複雑な構造をしていますから、プローブと血管の間には反射の強い構造がたくさんみられることも多いと思います。これが超音波を減衰したり、アーチファクトの発生源になっていたりしますので、超音波の入射位置と角度、距離なんかもすごく重要ですね。
そんなこんなで、「頸動脈エコーのコツ」を一言でいうならば、
「力を抜く」 ^^ (んなアホな!)
でもね、まずはこれが一番大切だと思います。よく「プローブの振り方や押し加減は?」と聞かれたりするのですが、そもそもこのあたりはVAとか以外では「押しても効果がない」部分がほとんどで、逆に押せば押すほどアーチファクトは増えるでしょ。
そして忘れちゃいけないのは、首の動脈は「押すと危ない」。
・・ですよね?
また、圧迫はしなくても、プローブを強く握っていると微妙な調節ができません。微妙な調節ができないと、キレイなBモード画像も出せません。計測をするにしてもドプラを使うにしても、まずBモード画像がキレイに出せなければ「装置の調節」や「使い方」や「技術」云々以前の問題です。
何でBモードが大切なのかというと、計測するにしてもドプラを使うにしても、もともとは同じような原理を使っていますから、「きれいなBモード = 正確な計測ができるかも」という理屈です。そして、きれいなBモードを出すには、まず「力を抜く」ことが第一歩になるんじゃないかと。。
これができれば、あとはアーチファクトの少ない画像を得るにはどうすればよいか?分解能の高い画像はどうすれば出せるのか?
超音波の基礎や原理の知識があれば簡単に考えつくことです。
つまり、「プローブの振り方や押し加減は?」が入口ではなく、何をしたいのか?( = こうしたい!という目的)に対して「プローブの走査や押し加減」が決まってくる。
プローブの使い方は出口なのです。
ここを間違えて「頸動脈の押し加減はこう!」「スキャンはこれを使いましょう」と逆から考えても、教えられても次につながりません。別の患者さんを検査すると、すぐに「お手上げ」状態になってしまうんじゃないかな~と思います。
ということで、頸動脈エコーが上手くできないって方は、画面に夢中にならず、そして指が白くなるほどギュっと握らず、まずは力を抜いてみましょう。
その上で良い画像が得られない場合は、それがアーチファクトによるものなのか? それとも装置の設定がいけないのか? または、単に遠いだけなのか?
原因に対処しましょう。
あとね。
すご~く大切なことが2つあります^^