どうしたら上手くエコーができるようになりますか?

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いままでに何回か肝臓の超音波検査について何回か書いてきました。

すると・・・

「見落としをなくすためにはどうしたらよいのでしょうか?」というような質問がたくさんきます。

そんな 皆さんの相談事や質問をよく聞いてみると、エコーを始めたばかりの初心者にありがちな、「様々な問題」がみえてきます。今回はそんなことを書いてみようかと思います。

最初は「上手く圧迫ができずに描出できないのですが・・・」という相談です。

▽臓器が描出できないのは圧迫が弱いせい?

相談で これが一番多いんです ^^

圧迫が弱い もっと押せ!

皆さん、こんなことを言われることが多いようです。

「描出ができない」という理由。私は圧迫の弱さだけが原因ではないと思います。ただ、「なんでこんなに違うの!」と思うほど、初心者と熟練した技師では、映し出される画像に違いがあることは確かですね。

では、何が違うのでしょうか?

患者さんの「体型」や「筋肉のつき具合」、「臓器の位置」は千差万別ですね。もちろん「年齢」や検査についての「理解度」も違います。そこで、各々患者さんに合わせて「圧迫の強さ」や「呼吸の深さ」、「体位」などをうまく調節し、最適な描出ができるように考え得る限りの手をつくすことが大切です。

腹部臓器の位置は個人差が大きく、体型にかかわらず意外に上の方に位置している患者さんも多くみられます。腹式呼吸がうまくできずに横隔膜が下がってこない方もいます。そんな時には胸式呼吸をしてもらうと臓器がよく下がってくる方もいますし、左向き(左横臥位)になってもらうことで、くっきり描出できることもあります。

また、描出しようとする「モノ」がハッキリ映し出せないのは、その「モノ」の前方に何か邪魔をする組織(超音波の通りにくい組織やアーチファクト)があるのかも知れませんね。ほんのちょっとプローブをずらし、違う角度からみることで「クッキリ」なんて事もありますから、プローブを固定し過ぎることもいけません。

痩せている患者さんでは(特に膵臓)、臓器によって圧迫しすぎると「潰れてしまい」みえなくなってしまう事さえあります。

このように、「描出ができない」のは、一概に「圧迫が弱いせい」とは言い切れません。圧迫の強弱、呼吸の深さと息止めの位置、体位・・・。無限の組み合わせがあります。

色々試して、それを経験として蓄積するしか方法はありません。でも、「試し続けること」、そして「その結果の理由が何故そうなったのか?」を考えることが 後々豊富な経験につながってきます(^^)v

そして熟練者との違いも ここにあるのではないでしょうか?

でも、もしかしたら本当に「圧迫が弱い」のかも。。

そんな非力な「あなた」に、ちょっとコツを伝授 ^^

圧迫は手だけでやろうとしても、プローブに伝わる力はたかが知れています(待っているのは腱鞘炎だけ ^^)。ですから、肩・肘・手首を固定して、肩に自分の体重をかけるようにすると、無理なく強い圧迫が可能になります。自分の全体重をかけたつもりでも、患者さんは全く痛くないことがほとんどです。(痛そうで押すのを躊躇う場合は、患者さんに聞いてみて下さい「痛かったら教えて下さい」のように。。)

ぜひ一度お試し下さい。

次に「始めたばかりで、どうしても所見を見逃してしまうんです」という相談です。

▽見逃しをなくしたい!

エコーは、検査中、一度に多くの作業をしなくてはなりません。

患者さんから情報を聞き出し、予めみておいたカルテをもとに疾患の見当をつけます。検査をはじめて、異常所見があればしっかりみる。そして、その間にも「次にどこをみなくてはならないか?」なんてことも考えます。

さらに「装置の調節」や「プローブ操作」を頻繁に行いながら走査。必要に応じて計測したり、写真も残さなければなりません。エコーは、ただ「決められた場所に、決められた方法で行う」といった検査ではありませんよね。

本当に集中力が必要な検査です。

しかも、一度に多くの作業をこなさなくてはなりません ^^;

でも、これって考えようによっては車の運転と同じなのです。多くの情報を基に一瞬で頭の中で判断して、無意識に身体を動かす!これができないと、危なくて公道での運転は危険です。エコーもまったく同じですね。

「仮免許中」の間は、教官に教わればいいのです。

(検査後、ベテランさんに「確認して下さい」ってね)

ですから、皆さん慌てることはありません。一つ一つクリアしていけば、必ず自分一人で運転できるようになります。

あきらめずに頑張ることです。

絶対にできるようになりますから・・・

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