総胆管(CBD:common bile duct)描出法! 

総胆管の描出

総胆管(CBD:Common Bile Duct)は、腹部エコーを検査の中で必ずチェックしなくちゃならないポイントの一つですが、総胆管(CBD)の描出は、腹部エコー初心者にとって肝区域、膵臓と並んでやっかいな部分だと思います。

総胆管の描出はなぜ難しいのか?というと、健常者は数ミリで「細い」ということもあるのでしょうが、初心者は解剖学的な位置関係が曖昧ということも大きな理由かもしれません。

なので、総胆管の描出の前に、まずは解剖的な位置を確認してみましょう!

総胆管の位置・解剖

総胆管は総肝管と胆嚢管が合流する三管合流部より下流の胆管部分です。膵臓の頭部に入り膵管と合流してファーター乳頭から十二指腸へ開口しています。腹側には胆嚢、背側には門脈が、右には固有肝動脈が並走しています。

ここをしっかり踏まえれば、総胆管の出し方が見えてくると思います。

総胆管をチェックする方法

腹部エコーで総胆管をチェックする方法はいくつかあると思いますが、やはり正常の方では数ミリと細いので、近くにある比較的大きな構造から探さないと、なかなか見つけることは難しいと思います。肝臓、胆嚢、膵臓、門脈といったものでしょうか?ただ、最終的には総胆管と並走している門脈本幹が最も大切なメルクマールになると思います。

一つの方法としては、肝内の門脈を尾側方向に追うことで門脈本幹を描出できますから、門脈と並走する総胆管を見つけるのは難しくないと思います。または膵臓頭部に位置する上腸管静脈(SMV)を頭側に追うことでも門脈に辿り着くことができますね。そして、胆嚢頚部から総胆管を探しに行くことも比較的容易だと思います。

ということで、一つの例。

1.まず胆嚢の長軸像を出してください。

(これは簡単でしょ ^^)

カントリー線を縦走査でみた像ですね。

胆嚢窩とIVCを結ぶ仮想のライン。
肝左葉と右葉の分けめです。

この像の先(奥)はS4。

手前はS5ですね。

わからない人は解剖のやり直しです ^^

2.門脈の長軸画像を出してみましょう

ちょっと頑張って、門脈の縦断像を描出してみましょう

コツは「ちょっと反時計回転」です ^^

すると・・・  こんな感じ

で・・・

胆管はどこ?

↓   ↓

またまた解剖の教科書に戻りましょう^^

3.CBDは もう目の前にあります!

門脈の腹側に細く見えるのが「総胆管:CBD」です

さらに、ちょっとだけ右に向けると・・・

はい、簡単でした ^^

解剖学的な位置関係や、ちょっとしたコツを知っているだけなのですね。

あ、ちょっと待った!

まだ終わりません

さらに門脈の横断画像は・・・

CBDは門脈の腹側。

しかも右側を通っているのでしたね。

では質問です。 左側に見えているのは何でしょう?

そして、これは何っていうサイン?

4.描出するだけではありません

エコーは、ただ描出するだけではありません。

こんな像や、

こんな像をみたら要注意です!

あ、もっと簡単なCBD描出方法もあったりします ^^

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