超音波検査の原理 Bモード

まいどっ!  超音波検査士の飯塚です。

肝臓とか甲状腺、乳腺、心臓など、

もっと実践的な部分をやって!

という意見をもらいます。

はい、気持ちはよ~くわかります。

でも・・・

もう少し待ってくださいと答えています。

なぜかって?

↓ ↓ ↓

初心者のための超音波検査セミナー

▽基礎が大事な本当の理由

1つは実践的な部分はある程度自分で勉強できるからです。有名な先生方が、たくさんよい本を出していますので、それを読めば一人でも充分勉強はできます。(もちろん、今後お伝えしようと思っています)

2つめ、超音波診断では“基礎の理解”がとても大切なのです。ところが、わかっていない人が多い・・・。

ある有名な先生の言葉を紹介しますね。

——-ここから————————————

超音波検査の急速な進歩は、これから超音波検査を習得する初心者に対して脅威になる。装置に慣れるだけでも最低3ヶ月はかかり、熟練するには多くの症例を実地で経験する必要がある。

それだけに続々と生まれ導入される新技術、新装置を前に多くの初心者が竦然とする。超音波の基礎(数学、物理学、工学)や基礎医学の分野である解剖学などを一知半解なままに、走査、診断のテクニックのみを習得しようとする姿勢にその原因の一端はあるように思われる。

——-ここまで————————————-

誰もが具体的な症例や疾患、写真など実践的な部分ばかりに多くの時間を使う傾向にあります。

別に悪いことではありません。

でも、基礎を知らないと走査や診断のテクニックは向上しません。というか、すごく遠回りをすることになってしまいます。

あなたは・・・

装置に映し出されている画像の本当の意味をわかっていますか? そこから次に何をしたらよいか考えられますか?

ということで、今回も基礎です  m(__)m

誰もが嫌いな超音波の原理 Bモード

超音波検査の表示には、「Aモード」「Bモード」「Mモード」なんてのがあります。

その他にも「ABモード」「Cモード」「Fモード」や、「カラー」「3Dモード」といった表示もあります。

とりあえず、今回は「Bモード」について知っておきましょう!

Bモード表示のBとはブライトネス(Brightness:輝度)の略ですね。

超音波は「やまびこ」に例えられるように、何かに当たるとはね返ってくることはご存知ですね。Bモードでは、はね返ってきた超音波(反射波)の強さを「輝度」として表示しています。

画像で「白っぽく」みえたり「黒っぽく」みえたりするのは、反射波が「強い」「弱い」の差なんですね。超音波検査では「輝度が高い・低い」とか「エコーレベルが高い・低い」などと表現しますので覚えておいて下さい。

これ、へえ~ で済ませないで下さいね。

ここからが大切です。

では本題に入ります。

▽「Bモード」これだけは知っててちょ~だいね!
“エコー輝度の強弱は、どのような場合にできるのか?” 今回はここだけわかればOKです。

「輝度の差」これは反射波(プローブに返ってきた超音波)に強弱があるためです。これを利用して画像化しているんですけどね。

「反射波の強さ」?

「超音波の反射は音響インピーダンスに差があるために起こる」第11号の胆嚢結石でちょっと触れましたが、憶えていますか?

「“音響インピーダンス”」?

簡単に言うと「組織固有の抵抗値」と思ってもらうといいのではないでしょうか。具体的には「組織の密度×組織の音速」で表されます。

密度はともかく、「組織の音速って」??

雷や花火は、光より音が遅れて聞こえてくるのは体験的に知っていますよね。そして、音は通過する物質によって伝わる速度が違います。これも知ってますね。雷や花火の場合は空気中を伝わるので、 音が伝わる速度は約340m/secです。

では、水は?

1480m/sec(20℃)です。 空気中の4倍以上のスピードですね。よく水の中は音が伝わるのが早いと言われますが、本当なのです。

このように身体の中も、組織によって音が伝わる速度が違います。一般的に肝臓であれば1500~1600m/secくらい、骨は2500~4500m/secくらいといわれています。

まっ、ともかく密度×音速ですから、組織によって持っている音響インピーダンスが違うのです。(抵抗が違うと考えてください)

そこで前に戻って、超音波の反射は音響インピーダンスに差があるために起こります。身体の中は様々な細胞や組織からなっていますので、当然音響インピーダンスに差があるのです。

音響インピーダンスに差があれば、そこに反射がおきる。音響インピーダンスの差が大きい組織間ほど反射が強くなります。

反射が強いと・・・

そうです! 輝度が高く(白っぽく・エコーレベルが高く)なるのです!逆に組織間の音響インピーダンスの差が小さいと・・・輝度が低く(黒っぽく・エコーレベルが低く)なるのです!

この理屈を知っておいてくださいね。この先 と~っても重要なことになってきますからね!

◆編集後記
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私は超音波診断を始めたときに

本を見て理解できますか? ⇒ できませんでした。

何がポイントかわかりますか? ⇒ わかりませんでした。

実際の検査での応用は? ⇒ とてもできっこない。

という状態だったのです。くどいようですが、あなただけには遠回りをして欲しくありません。このメルマガでは検査をするにあたって「今すぐに必要なポイントだけ」を「わかりやすく」書いてきたつもりです。

だまされたと思って、よ~く読んでくださいね。エコーをやる上で、とても大事なエッセンスを随所にちりばめてあります。

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このメルマガは「絶対に」

知り合いに教えてはいけません!!

たまにウソも書いてありますから・・・。

(モチロン意図的ではありません)

あなたも注意してくださいね (^^)

みなさんの感想、お待ちしてます⇒こちら

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みなさん、夏休みの計画は立てました?

私は毎年家族でキャンプに行きます。テレビもパソコンもない静かな夜を過ごして、星を見ながらテントで寝る。

とても気持ちがいいのです。

いつもは海でキャンプでしたが、さすがに暑さに負けて今年は山に行くことにしました  (^^)

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