超音波検査の減衰対策~!

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エコーやってる方なら誰もが経験していることだと思いますが、超音波画像は遠いところ(深い部分=画像の↓)が苦手です。

画面の下の方は、エコーの画像があまりよろしくない・・。

これは何でかっていうと、超音波は進んでいくにしたがって、少しづつ減っていってしまうのが大きな原因の一つですね。(※コンベックスプローブでは超音波ビームの隙間が大きくなるのも理由の一つです)

で、これを「超音波の減衰」なんて言ったりします。

超音波の減衰

超音波が減衰してしまうのは、超音波が進む体の中の組織に行く手を邪魔するさまざまな障害が待ち受けているから。。

待ち受けている障害には色々とありますが、どれもこれも超音波の振動エネルギーを弱めて(減衰させて)、超音波が遠くに届き難くしまうものです。

超音波の減衰には、組織が超音波を減らしてしまう程度(減衰定数・減衰係数)や、送受信している超音波の周波数、そして、超音波の進む距離が大きく関係していて、使用する周波数が高いほど、そして進む距離が長いほど超音波は減っちゃう傾向にあります。

そこで、この減衰に対して装置ではさまざまな対策が講じられているのですが、超音波の基礎や原理はこんな「現象と対策」から考えてみると理解しやすいと思います。

ってことで、減衰に対する対策を考えてみましょう!

超音波の減衰対策~!

深い部分に超音波が届き難くて画像がキレイじゃない時、「減衰の対策」をすることで、少しはキレイな画像が出てきてくれるかもしれませんよね?

で、超音波の減衰の原因は「高周波数」、「遠距離」、「媒体の減衰定数」でしょ? ならば、ここをちょっぴり何とかすればいいのではないか? ということですね。

ただ、「媒体=生体組織」なので、これは何ともし難いところです。なので、「周波数や距離を工夫する」ことを考えてみましょう。

超音波の減衰と周波数

エコーは検査する領域によっては深い(=遠い)部分まで表示する必要があります。ただ、使う周波数が高過ぎると「あっという間に」超音波が減衰しちゃうので、遠くまで届いてくれません。

本当は高周波を使いたいところ(何ででしょう^^)なのでしょうが、遠い部分を検査する場合は仕方なく周波数を下げています。セクタやコンベックスの周波数がリニアより低いのはこのためですよね。

最近(?)は周波数を数段階に切替えられる(可変)タイプのものが主流ですから、ぜひ活用してみましょう。

超音波の減衰と距離

進む距離が長くなると超音波はすごく減ってしまうので、深い部分から返ってくる反射信号が弱くなってしまいます。

ここはSTC(TGC)で改善しているんでした。

手っ取り早いのは、見たい部分に対して少しでも近づいてあげることだと思います。続いて押せる部分であれば圧迫して近づく。向こうから近寄ってもらえるなら、呼吸や体位を調整。。

装置の調整は、GAINでもいいのですが、近い部分が見にくくなってしまうこともありますので、STCの方が有効かもしれませんね。

そうそう、もともと減衰する量よりも大きいエネルギーの超音波を使えばいいんじゃないの? ってことも考えられますよね。でも、プローブから出す超音波のパワーを高くしてしまうと、こんどは安全性といった問題が絡んできます。

あ、ここで超音波の安全性について理解しておくといいかもですね。超音波の生体作用やMIやTIなどといったことです。

という感じで、「減衰」ひとつとっても、そこからいろいろと広げて勉強していけると思います。また、こんな感じで進めると理解もやすいと思いますよ♪

※posterior cho enhancement(後方エコーの増強)なんてものありますが、超音波は減ることはあっても、途中から増えることはありませんので、ご注意を。。

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