超音波検査士になるには?

超音波検査士を受けるには?

多くの方から「超音波検査士を受けるにはどうしたらいいですか?」という質問を受けますので、ちょっと説明しますね。

まず、「超音波医学会」または「超音波検査学会」に入会しましょう。入会して3年間たたないと、超音波検査士試験の受験資格が得られませんので。

日本超音波医学会  → https://www.jsum.or.jp/
日本超音波検査学会 → http://www.jss.org/

どちらの学会でも受験資格は得られますが、「超音波医学会」は実質、超音波検査士を認定している学会です。どちらかというと会員は医師が多く内容も研究的。より専門的な分野を扱っていることが多いように思います。 そして会費は高めですね(準会員で英文誌を辞退する場合は超音波検査学会と同じ会費)。

一方、超音波検査学会は臨床検査技師などの医療技術職会員が多く、始めて間もない方にはオススメかなと思います。内容も実際の検査に即したものを多く取り上げていますので、医師以外の放射線技師や検査技師等、技術職の方であれば、最初はこちらがよいと思います。年会費は7000円です。(会誌以外にも、役立つ教書がたまに送られてきます)

取得後の話ですが、超音波検査士は5年で更新しなければなりません。この更新時に一定以上の研修・業績単位点数が必要です。研修・業績単位点数は、学会発表や参加、会誌への論文投稿で加算され、5年間で25単位以上を必要とします。

そして、学会に入会した後、3年以上継続して日本超音波医学会、または日本超音波検査学会の会員であることが受験するためには必須になります。つまり、学会に入って「3年間は、しっかり経験を積んでね」ということです。

学会に入り、3年間エコーに携わり、初めて超音波検査士の受験資格が得られるわけですが、ここからがまた大変です。

超音波検査士の認定は、現在6つの領域にわけられていて、1度の試験で受験できるのは1領域だけ。全ての領域について認定を受けるには最低7年間必要になります(学会入会がまだなら10年!)。

領域は体表臓器、循環器、消化器、泌尿器、産婦人科、血管、健診です。
(※2007年 血管領域が追加され、現在7領域になっています)

試験は「超音波の基礎」と「受験する臨床領域」について各35問(70分)ずつ。基礎の試験については、合格した次の年に限り1回だけ免除されます。

例えば今年循環器を受けて合格したとします。翌年に健診を受けるとすると、その時は基礎の試験が免除となります。ただ、またその翌年に泌尿器を受けるとすると、その時は基礎の試験も受けなくてはなりません。ということです。

次に受験に際して必要なもの

・申請書

・超音波検査士認定試験申込書兼誓約書

・国家試験合格証明書

・推薦状(超音波医や超音波指導検査士)

・超音波検査研修申告

・超音波検査実績(症例)

・他

やっぱり皆さんが苦労するのは症例の提出です。提出する症例は、以前は“150症例” そして、その中で10症例に対して詳細な抄録(写真やシェーマ、所見、確定診断等)の提出が必要でした。

何年か前からは150症例は不要になり、健診領域以外は「超音波診断報告書抄録を20症例」提出するように変更されました。

健診領域に関しては、抄録10症例でOKです。しかし、「撮影技術と解剖」という、一連の腹部超音波画像とすべての画像に臓器や血管など、主要な臓器の説明を加えたスケッチの提出が求められることとなったようです。

症例(抄録)の提出数は変更になることもありますので、日本超音波医学会HPで発表される内容をしっかり確認して下さい。

そして、この抄録の作成が結構キツイ。

写真とシェーマ、超音波検査所見、そこから考えられる超音波診断、そして臨床診断や最終診断がどうなったか・・・。

これを20症例分つくります。

さらに提出する症例の疾患配分も決められています。例えば消化器なら肝臓のびまん性病変が4例以上、良性腫瘍が2例以上、悪性腫瘍が2例以上・・・という感じに、疾患に偏りがないよう提出を求められます。

超音波検査士試験を受ける際は、過去に検査した症例を引っ張り出して探すのですが、なかなか良い写真がない! あっても最終診断まで追いかけられていなくて使えない!と、20症例集めるのは意外とタイヘンなんです。

なので、中には知り合いや同僚に頼んで写真をもらい、自分で検査したようにして提出する方もいるようですが、不正行為になりますから絶対にやめましょう!!

そして最後に日本超音波医学会から認定を受けている超音波専門医の署名、捺印をもらって、や~っと提出にこぎつけます。

この20例は内容をしっかりチェックされ、ふさわしくない場合は減点対象となりますから、シェーマの記載や所見に使う用語、プローブマークの向き等にも注意しましょう。

そして、出したくなる気持ちはわかりますが、珍しい症例や非典型例は避けて、典型的な症例(写真も)を提出した方が無難だと思います。

以上、ざっと「超音波検査士を受けるには?」を書きました。

いかがでしょうか。参考になりました?

今考えると、超音波検査士の認定を受けるのって、すごくタイヘンなことだったんですね (^^;

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