超音波の基礎工学 用語集

【A】

acoustic lens(音響レンズ)
異なる媒質の境界面では音速に差があるため音は屈折します。この屈折を利用して振動子の前面に置いたときに超音波ビームを集束(もしくは拡散)させるのが音響レンズです。

acoustic pressur(音圧)
音波(疎密波)が媒質を伝搬するとき、媒質の圧力は変化します。静圧に対するこの変化部分を音圧といいます。単位はdB(デシベル)で表します。

acoustic shadow(音響陰影)
超音波ビームが透過しない組織の後方は、反射超音波信号がほとんどない帯状の無エコー野になります。

acoustic variables(音響変数)
音響(音波)に関する変数です。圧、密度、温度などが関係し、時間と空間の関数よりなります。

artifacts(アーチファクト)(虚像、ghost)
目的とする以外の不必要な信号をいいますが、超音波検査では画像を理解する上で重要です。

attenuation(減衰)
回折、吸収、散乱、反射などにより進行方向の音響幅が伝播中に減衰することをいいます。

axial resolution(距離分解能)
ビーム軸方向の分解能です。深さ方向と周波数に依存します。

【B】

B/A(ビーバーエー)(非線形パラメータ)
媒質の非線形性を表す指標です。疎密波である超音波が媒質を伝搬するとき、音圧の高い部分は早く、音圧の低い部分は遅く進むため、超音波の波形が鋭い鋸歯状になります。この変化の程度を示す定数はB/Aと呼ばれ、この定数の定量化により生体組織の特性化が可能になります。

beam cross sectional area(ビームの太さ)
ビーム軸に直行する平面上でその内面における最大の音圧の50%(-6dB)以上の部分をいいます。

beam forming(ビームフォーミング)
配列型探触子群の位相あるいは遅延の分布を制御することにより目的の性状の超音波ビームを形成することをいいます。

B flow(ビーフロー)
血流信号をBモードで表示することをB Flowと呼びます。血流信号は非常に微弱ですが、coded excitationという技術で、高周波であっても超音波パルスの振幅を大きくすることなく、減衰の少ない画像を得ることが可能です。

B-mode(ビーモード)
B-modeのBとはbrightness(輝度)の略であり、反射波の強さを輝度で表示(輝度変調)します。

【C】

cavitation(キャビテーション:空洞現象)
液体の媒質中に音波を照射したとき、音圧のピーク値が静圧より大きいと、音圧が負圧になる半周期に液体中に溶けていた気体が気泡として発生(気体キャビテーション)、あるいは液体自身の気化による気泡発生(真性キャビテーション)が起こります。次の半周期で音圧が静圧を越えるまでの間に、気泡(空洞)が消滅するとき局所的に著しい高圧(数千気圧)が発生し、空洞周囲の液体分子が空洞の中心に向かい突進し、互いに衝突するので強い衝撃波が発生します。

この現象をキャビテーションと呼び、液体中の気体含有量が多く、音波の周波数が低く、音波強度が大きい程、キャビテーションは起こりやすくなります。超音波診断装置の超音波強度ではキャビテーションは発生しないとされています。

color doppler method(カラードプラ法)
超音波カラードプラの原理はMTI(Mooving Target Indicator)を応用したものです。生体内にバースト波を発射し、これが反射体で反射し戻ってきます。次にもう一回、時間⊿tをおいてバースト波を発射させます。このとき、生体内で動きのない反射体からの反射エコーは振幅と位相がほとんど変化していませんが、動きのあるもの(心臓や血流中の赤血球など)からの反射エコーは⊿t間に位置が変化しているため位相がずれることになります。したがって、1回目の反射エコーと2回目の反射エコーを減算すれば、動きのない反射体からの信号は「ゼロ」になり、動きのある反射体からの信号の差は残ることになります。

coupling medium(カップリングメディア)(伝達媒質:Contact Medium)
探触子と被検体との間に入れて超音波の伝搬をよくする物質をいいます。探触子の先端につけて使用する超音波カプラもカップリングメディアの一種です。

【D】

detection(検波)
変調(modulation)された信号を受信後、もとの信号成分を取り出し情報を得る走査を検波あるいは復調(demodulation)と呼びます。習慣的に、振幅変調(AM変調)の場合には検波と呼び、周波数変調(FM変調)の場合には復調と呼ばれています。

directivity angle(指向角)
指向性(directivity)の鋭さを表示する角で、振動子面より放射された超音波の主軸から最初に音圧が「ゼロ」となる方位となす角をいいます。零放射角とも呼ばれます。

【E】

echo(エコー)
被験者の体内において音響インピーダンスの異なる境界面(反射体)に反射されて受信された超音波信号のことです。超音波検査でブラウン管(液晶画面)上に映し出された輝点をいいます。一般的にエコーとは超音波のことをいい、エコー検査とは超音波検査をさします。

echo enhancement(エコーエンハンス)
Bモード画像の輪郭部のみを強調する画像処理をエコーエンハンスまたはFTC(fast time constant)などと呼びます。輪郭描出の方法は、輪郭により超音波の反射が急に大きくなるので、この変化分(微分成分)を描出します。Bモード画像上では、腫瘤や組織の境界が強調され、輪郭が見えやすくなります。実際には微分成分とある程度もとの成分を残すことで、形態の把握が困難になるのを防いでいます。

echo level(エコーレベル)
エコーレベルとは、生体組織から戻ってくる受信波の強度をいいます。言い換えれば、ブラウン管(液晶画面)に表示されるエコー輝度または振幅の程度をいいます。

【F】

far gain(深部利得)
超音波は生体内を伝搬するとき減衰するため、深部からの信号は非常に微弱になります。そのため、均一な臓器(例えば肝臓)でも映し出される画像の輝度は均一ではありません。深部で輝度が低下することを防ぐため、深部でのゲインを上げる(深部の信号をより増幅させる)ことが通常の装置では行われています。

filter(フィルタ)
ある特定の周波数の信号を通過させ、他の周波数を除去する周波数の選択性を有するシステムです。

frenel zone(フレネルゾーン、近距離音場)
振動子から放射された超音波が平面波として進行する距離までの音場です。

frame rate(フレームレート)
フレームとはモニタ画面に映し出される1画像のことです。
フレームレートとは1秒間に描出できるフレーム数です。例えば、1秒間に10枚の画像が得られる場合は10枚/秒となります。プローブを動かしたとき、フレームレートが高いと滑らかに、低いとスローモーションのような画像にみえます。

flow area angle(フローエリア角)
カラードプラ法でのカラーの表示幅、フローエリア角を狭くすることによって、フレームレートを上げることができます。しかし、最大検出流速はパルス繰り返し周波数(pulse repetition frequency;PRF)を高くしないと大きくできません。このとき、PRFが高くなるにつれて視野深度が浅くなります。

【G】

gain(ゲイン、利得)
増幅度のことで、生体内での減衰や音響インピーダンスの違いにより生ずる輝度の強弱を補正する機能です。

【H】

harmonic imaging(ハーモニックイメージング、非線形音響イメージング)
通常のBモード断層法では、中心周波数の基本波パルスを振動子より送信し、組織より反射して戻ってきたエコーを受信し、画像表示しています。このとき受信信号が深部での高調波成分の減衰は受けるものの、基本波成分を用いて画像が作られています。言い換えると、入射パルス波形に種々のものがあるものの、比較的広い周波数帯域のものが使われ、一部周波数の高い成分が減衰しますが、入射信号が生体組織で反射して戻ってきたものが画像を構成します。

これに対してハーモニックイメージングとは、入射超音波信号が超音波造影剤(マイクロバルブ)の非線形作用による造影ハーモニックイメージングと、入射信号の非線形伝搬そのものによるtissue harmonic imaging(組織非線形音響イメージング)があります。

【I】

infrasonic wave(インフラソニックウェーブ、超低周波音)
人の耳で聞き取ることのできない周波数の低い音波です。通常16~20Hz以下の周波数のものをいい、広い面積をもったあるいは長い構造物によって生じます。送電線などの大型構造物、大型エンジン、送風機などの機械類、雷、竜巻などの気象上の原因、磁気嵐、地震などの地球物理的原因があります。

【L】

liniear scan(リニア走査)
超音波ビームを連続的かつ直線状(リニア)に移動し、被検体の断面像を描出する方法です。その方法は機械走査と電子走査による2通りの走査方法で行われます。現在最も汎用されているのは電子走査式のものであり、並列する多数の振動子のうち数個のグループを発振させ、この動作を直線的に電子回路の働きで移動させることでリニア走査が行われています。

laster(走査線数)
一画像をモニタに描出する際に必要となる走査線の総本数のことです。

【M】

microstreaming(マイクロストリーミング)
超音波の非線形作用の一つです。超音波が液体中の極めて小さい気泡の収縮と拡張を起こすことにより、この気泡が振動し、周囲に小さな液体の流れを生じます。この現象により生体の細胞膜に破壊作用を来たしますが、通常の超音波診断装置では音響強度(intensity)が小さいので、細胞膜への障害はないとされています。

mirror image(ミラーイメージ、鏡像)
鏡像とは椎体前面や横隔膜などの音響インピーダンスの大きく異なる鏡面反射体(超音波の波長より十分長い滑らかな反射面)が鏡のような役割をするときに出現するアーチファクトです。例えば横隔膜では、超音波が横隔膜で反射し、肝嚢胞や肝静脈でさらに反射し、同じ経路通行して振動子に戻ると、横隔膜を鏡にして実像と虚像が対称の位置に出現します。

main lobe(主極)
超音波には指向性があり、振動子の正面方向に強く放射され、また正面方向からの反射波が最もよく受信されます。ただし、超音波には横方向への広がりもあり、振動子の中心軸から横に隔てたところでも音圧は0とはなりません。一般に中心軸上の放射ビームはmain lobeといい、それ以外の放射ビームをside lobe(サイドローブ、副極)といいます。

【N】

Nyquist frequency(ナイキスト周波数)
パルスドプラ法における最大検出ドプラ偏位周波数のことです。パルスドプラ法では、目的とする深さに相当する時間にゲートをかけます。そうすることで目的部の血流信号のみを取り出すことが可能となります。ただし、反射体までの距離があるので、送信パルスの繰り返し周期Tの半分以下の時間(深さ)でないと血流信号が検出されないという制約があります。繰り返し周波数Tに相当するPRF(pulse repetition frequency;パルス繰り返し周波数)は、PRF=1/Tの関係にあります。ドプラ偏位周波数をfdとすると-PRF/2≦fd≦PRF/2となります。以上のことから、最大検出周波数はPRF/2に限定され、PRF/2はナイキスト周波数と呼ばれます。

nativ tissue harmonic imaging(ネイティブティッシュハーモニックイメージング)
ティッシュハーモニックイメージング(tissue harmonic imaging)とも呼ばれます。生体内を超音波が伝搬するに際し、超音波が疎密波であるために音圧の高低を伴いながら進行します。進行波は、音圧の高い部ではやや速く、音圧の低い部ではやや遅く進むので、波の伝搬に伴い徐々に波形に歪みが生じます。この歪みの程度は媒質の非線形パラメータ(B/A)により規定されています。超音波の波形の歪みにより「はじめに生体内に入射した中心周波数f0の超音波(基本波)」以外に多くの高調波(周波数nf0,n=2,3,4,・・・)が発生します。この高調波成分のうち主に2次高調波(2f0)が用いられ、その成分を画像化したものがnativ tissue harmonic imagingです。2次高調波成分は音圧の2乗に比例して発生するので、サイドローブはメインローブに比較して音圧が低くなります。つまりサイドローブにより形成される2次高調波はほとんど出現しないことになります。よってサイドローブによるアーチファクトは軽減されされることになります。また、多重反射にも同様のことが当てはめられます。多重反射のような複数回の反射によるものは音圧が低下するために、これも軽減されます。さらに、高調波成分による画像であるので、回折が少なく結石などの音響陰影が明瞭に出やすいので、結石の診断にも役立ちます。

【O】

音の3要素
音の3要素とは高低、強弱、音色をいいます。音の高低は、その振動数(周波数)が大きいと高く、小さいと低くなります。ヒトが判別できる振動数は16~20~20000Hz(ヘルツ、回/秒)程度といわれ、これを可聴音といいます。この可聴音より周波数の高い音は超音波(ultrasound)、逆に周波数の低い音は超低音(infrasound)といいます。音の強弱は媒質を通過する音波の振動エネルギーの大小によります。音波の周波数をf、振幅をA0としたとき、音の強さは同一媒質中ではA02f2(A0の2乗・f0の2乗)に比例します。すなわち、音の強弱は、波形を反転させてすべて正の振幅にしたときの波形内の面積に比例します。音色とは、音波の振幅によりヒトに感覚的に異なる音として聞こえることをいいます。これは、音の周波数や振幅が同じでも異なった音として聞こえることを意味します。音色は波形に含まれる高周波成分の周波数とその振幅に関係し、その位相とは無関係となります。

【P】

pulse(パルス)
パルスとは、ある状態から急激に変化し、元に戻る波形のことをいいます。一般的によく用いられているパルスはデジタル信号としての方形波です。超音波診断装置では、振動子より放射される超音波ビームはバースト波と呼ばれるものです。

パルス間隔
パルス波の始まりから次のパルス波の始まりまでの時間、または距離をいいます。とくにパルス間隔の時間をPRT(pulse repetition time;パルス繰り返し周期)といいます。

pulse wave(パルス波)
短時間の間に変化する波形をパルス波とよび、多くは電流、波形、音波での信号として用いられています。ある時間だけ続く波のかたまりがある特定の速度で進行するもので、進行波とよばれます。超音波には連続波と一定周期で断続的に振動するパルス波とがあり、通常の超音波診断装置ではパルス波が用いられています。さらにパルス波には振幅の変化しない定振幅パルスと振幅の減衰する減振幅パルスとがあり、振動子から発信される超音波は減振幅パルスになります。最大振幅とパルス幅が定振幅パルスと減振幅パルスで変わりがない場合には、減振幅パルスの生体に対する透過は悪くなります。しかし、距離分解能は優れているという特徴があります。パルス幅を短くすれば、距離分解能は向上します。そのために振動子の背面にダンパーやバッキング材といった弱音器を置き、出来るだけ早く振動子の振動を消去する必要があります。パルスの始まりから次のパルスの始まりまでの時間をPRT(パルス繰り返し周期)、その逆数をPRF(パルス繰り返し周波数)といいます。

【Q】

Q factor(Qファクタ、Q値)
ある振動子のもつ特定の周波数に対する選択性を示す因子をQファクタとよびます。

quenching of receiver gain(受信機の追い込み)
送信パルスの影響により、受信回路が正常に作動するまである一定の時間が必要になります。この間は近距離から反射超音波パルスの受信に際し、感度は低下します。これを受信機の追い込みといい、受信機の追い込みが影響している時間を“追い込み時間(recovery time)”といいます。比較的大きな反射パルスを受信した直後も一時的に受信回路は正常な受信が出来なくなります。この時間も“追い込み時間”といいます。

【R】

rayleigh scattering(レイリー散乱)
大きさが波長λの1/10以下の粒子により起きる散乱をいいます。レイリー散乱は周波数fの4乗と粒子体積V(粒子直径Dの3乗)に比例した散乱強度を示します。超音波パルス反射法のBモード像では、小さな反射源が多数ある不均一媒質内の散乱波は干渉し合うため、スペックルパターンを呈します。このスペックルパターンは中心周波数を変えると変化します。

レンズ効果
腹直筋などのレンズ状の組織によりビームが屈折して虚像を形成します。このとき腹直筋の音速は、周囲脂肪組織より速くなります。
レンズ効果により、例えばSMAが実像と虚像の2本として描出されたり、または2本に分離しないまでも横に広がったように描出される場合もあります。Aoも横に広がってにじんだ画像にみえ、画像の不明瞭(ぼやけ)の原因となることがあります。

resolution(分解能)
分解能とは、近接して存在する2つの対象物体を分離して表示する能力のことです。超音波断層法では、分解能には超音波の進行方向である深さ方向の分解能(距離分解能、縦方向分解能、axial resolution、range resolution)と、超音波ビームの進行方向に垂直な方向の分解能(方位分解能、横方向分解能、lateral resolution、bearing resolution)の2種類があります。

【S】

slice thickness artifact(スライス幅によるアーチファクト)
slice thickness effectともよばれ、ビームの幅によるアーチファクトです。スライスした断層面に垂直の方向にもビームが広がっているため、このビームの広がりの中にある反射体は重って1つの断層像として描出されます。

Snell’s law(スネルの法則)
異なる媒質の境界が超音波(進行波)の波長λと比較したときに幅広く滑らかであれば、波は境界を通過する際に屈折します。このとき、媒質1と媒質2とで、入射角をθ1、屈折角をθ2、媒質2の媒質1に対する屈折率をn、波の伝搬速度を媒質1でc1、媒質2でc2とするとsinθ2/sinθ1=n=c2/c1の関係が成り立ちます。これをスネルの法則といいます。

spectrum(スペクトル)
横軸を周波数、縦軸を振幅で表したパターンをスペクトルと呼びます。

speckle pattern(スペックルパターン)
超音波の波長に比べて十分小さな生体内の無数の反射体(群反射体)により、散乱波が様々な場所(位相)で生じます。この散乱波のうち“探触子に戻ってくる散乱波(後方散乱波)”が干渉し、ランダムに小輝点群がみられます。まだらな点状の像を呈するので、これを指してスペックル(小斑点)パターンまたはスッペックルノイズ(speckle noise)とよびます。

switched array method(スイッチドアレイ法)
配列型探触子(array type probe)の振動子1個あるいは複数個ごとに駆動しながら、順次電子スイッチにより切り換え、超音波ビームを走査する方法です。この方法はリニア電子走査に使用されます。これに対し、位相または遅延時間を制御することにより超音波ビームを走査する方法はフェーズドアレイ法(phased array method)とよび、セクタ電子走査に使用されます。

【T】

TGC(time gain compensation)
STC(sencitivity time control)と同義語です。受信超音波の増幅度(利得、gain)を、ある間隔で距離に相当する時間に対して補正調節することです。これにより距離による超音波の減衰は、深部で増幅度を上げることで補正されます。

texture(テクスチャ)
超音波断層像における階調(グレーレベル)の空間的分布を示すものです。例えば、Bモード像内の2ヶ所の関心領域(ROI)について、濃度ヒストグラムが同じであっても、画像のテクスチャは同じとは限りません。

tone burst wave(トーンバースト波)
超音波の送信信号で、正弦波の連続信号をパルス変調信号により、複数個の正弦波の塊として変調したものです。この変調をパルス変調法といいます。この変調された信号が整った波の集合であることからトーンバーストといわれます。パルスドプラを用いた超音波診断装置では、この変調信号を距離に距離に相当する遅延時間tをかて復調することで、ある深度のみのドプラ信号を検出することが可能となります。

特殊プローブ
一般的な用途以外に用いられるプローブは、特殊プローブと呼ばれます。主なものに、穿刺プローブ、体腔内プローブ、術中プローブ、細径プローブなどがあります。

【U】

ultrasonotomography(超音波断層検査・診断法)
超音波ビームを走査し、Bモード法で断面像を描く方法です。この方法で得られた画像をultrasonotomogram、超音波断層像またはエコー像といいます。

【V】

voxel imaging(ボクセルイメージング)
電子制御により三次元的な分解能を得る超音波画像描出法です。アニュラアレイ振動子や二次元アレイ振動子により、距離方向や方位方向のみならず、厚み方向にも開口やフォーカスを電子的に制御することが可能です。

【W】

wall filter(ウォールフィルタ)
ドプラ信号の中で、心臓の壁などの動きの遅い物体からの不要な信号はクラッタ(clutter)とよばれます。クラッタは呼吸時における臓器の動きや、プローブをわずかに動かした場合にも出現し、微弱な血流信号を検出する際の妨げになります。ウォールフィルタは、この強い低周波の不要な信号を除去するものです。

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