エコー検査 まだまだ未熟者です

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ある時、知り合いの技師さんと久しぶりに会って話をしていた時のこと。エコーの話しになって、「そういえばエコーやっているんでしたよね?」「もうどのくらいやってます?」と聞いたところ、帰ってきた返事は。。

「まだ乳腺エコー2000例しか経験していません・・・」

乳腺だけで2000例経験していれば、すでに十分だと思いますが、本人はまだまだ経験不足だと思っているのです。

「じゃあ腹部は?」

「わからないけど、何万例かやりました」

「・・・」

まだまだ未熟者です

エコーやってて 何が情けないって、原因が特定できない時です。

しかも、しっかり画像は描出できているのに・・・

先日、担当の医師から「すごいんだよ すぐ原因調べて!」と電話がきました。

先生~、ただ「すごい」だけじゃわかりません・・・ ^^;

まぁともかく、後輩君の出番です!

「お前 大丈夫だろうなぁ?」 (¬_¬)

なんてみんなに言われながらも、

「任せてくださいっ!」

と重たい装置を押しながら病室へ向かっていきました。

依頼の主は、黄疸の患者さんです。

(いや主治医です^^)

顔も体も黄色くなり、一目で黄疸とわかる状態。

手早くエコーの機械をコンセントにつなぎ、後ろにあるブレーカーを上げ、電源ボタンを押して立ち上げます。装置が立ち上がる間、後輩君はカルテをみて「ビリルビンが高いね」「ガンマやALP」、「AST、ALTも上がってる」なんて、ぶつぶつ言いながら状況をチェックしてます。そうこうしている間に装置も立ち上がって準備ができたので、早速検査にとりかかります。

しばらくすると、検査室の電話が鳴り、

「すみませ~ん」

「ちょっと来てもらえますか?」(汗っ)

やっぱりダメか・・・

病室に行ってみると、すでにお手上げのようです。

「胆汁の流れる方向は もうちゃんとわかってますよ」それに、「ちゃんと全部見えるんです」。「でも、原因がわからないんです」 (T_T;

確かに後輩君のいうとおり、胆道は消化管の影響もなく、上から下までしっかり描出できる。肝臓内の胆管はガッチリ開いています。でも、胆嚢はやや虚脱。総胆管にも拡張はみられません。

後輩君いわく、「総胆管結石や膵臓の腫瘍を疑って探したのですが・・・」

拡張してんのは肝内だけなのに、膵臓さがしてどないすんねんと思いつつ、胆管の拡張が途切れている肝門部付近をよーくみると・・・やはり ありました。肝門部にできた腫瘍によって胆管が閉塞していたのです。

肝門付近は組織構造が複雑です。消化管のガスが邪魔して観察できない場合も多いですよね。このような複雑でわかりにくい部分だからこそ、正常な構造とそのエコー像を知っておく必要があります。

▽上達するために

私も同じような経験を何回もしました。

自分で一生懸命 原因を探してもわからないのに、できる人がプローブをあてると、すぐに診断がつく。エコーの限界で原因が特定できないならまだしも、ちゃんと見えているのですから、知識や経験の差以外の何ものでもありません。

こういうのって、かなり凹みます。でも、これは誰もが経験することです。ただ、このような時に「どうするか?」←これが後々の上達に深く関わってくるのです。

○検査するポイントは正しかったのか?

○不足していた知識は何だったのか?

といったことをすぐに自分で調べる。そして、間違っていたことは繰り返さないことです。そして、ちゃんと記録もしておきましょう。こうやって、一つ一つ「知識の引き出し」を増やしていくことが大切なことです。

みんな くやしい思いを経験しながら上達していくのですね。

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