腹部エコー「胆嚢の描出法」

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腹部超音波検査「胆嚢の描出方法」

今回はコレ ⇒ お~い どこへいっちゃったの?「胆嚢」

エコーは「胆嚢に始まり胆嚢に終わる」なんていわれます。そういえば、同じような言葉があったような・・・

何かを極めるときによく引用されるみたいですね。「基本に立ち返りなさい」とか、「簡単に始められる部分ほど奥が深い」という意味で「○○に始まり○○に終わる」というような使われ方をします。

さて、腹部エコーで一番最初に始める場所は?

やっぱり胆嚢から始めることが多いようですね。

理由は簡単! 描出しやすいからです。また臓器自体が肝臓のように大きくないことから、一つの画面に全体像を映し出すことができることも最初に入りやすい理由の一つです。ただ、胆嚢の描出がいくら簡単だからといっても、初心者にとっては結構「手ごわい」存在です。

胆嚢がどこにも見つからなくて「悪戦苦闘」 (^^;

なんてことも少なからずありますよね。

そこで、「胆嚢がない時」 ← あなたはどうしますか?

胆嚢がみつからない原因は、いくつか考えられます。

1.まず、「体格が良すぎる(太ってる)人」

体格がいい人の場合、超音波の減衰が強くて画像そのものがハッキリしないことが多いですね。さらに、胆嚢が体表面から深い部分にあるので初心者には位置を把握することが困難なこともあります。

2.次は逆に「やせている人」

一般的な体格の人と比べて位置が掴みずらいですね。またペチャンコに潰れて細長く、血管と区別しにくい時も少なくありません。

「太った方」と「やせた方」で胆嚢がみつからない時は、まず画像を縮小してみましょう。全体像を確認することで簡単にみつか るケースがあります。さらに、アプローチをする場所を変えてみましょう。右肋骨の下 右肋弓下といいます)から、右肋間、右の脇腹・・・いろいろな場所から観察してみます。また、横を向いてもらうとわかりやすいことがありますので、ぜひ試して下さい。

やせている方で、胆嚢なのか血管なのかの区別がつかない時は、カラードプラも有効ですね。血流がないことと、底部がどこにもつながりのないことが確認できれば胆嚢だと断定できるでしょう。でも、基礎的な解剖をしっかり頭に入れておくことが大切なことは言うまでもありません。

3.注意が必要なのは

「胆嚢に胆石が充満している場合」や「慢性胆嚢炎(陶器様胆嚢)」、そして「胆嚢癌」の場合です。これらは、通常の胆嚢の形をしていない場合があります。胆嚢に胆石が充満している場合や陶器様胆嚢は、音響陰影によって胆嚢の前面しかみえません。消化管と間違えてしまうこともよくあります。

「胃や腸のガスで見えませんでした」 m(__)m

なんて報告しちゃダメですよ!

胆嚢癌では、胆嚢の形状そのものがまったく違ったものになっていたり、胆嚢内腔が腫瘍で満たされてしまっていたり・・・。胆嚢を胆嚢だと認識できない状態になっていることがあります。これを見逃してしまうと大変なことになってしまいます。

「経験がないから・・・」なんて言い訳は通用しません。(^^;

「疾患の知識」と「超音波像」 しっかり勉強しましょうね。

◆編集後記

最近はTV、雑誌、本、インターネットなどで

病気に関する情報がいくらでも得られますよね。

患者さんの中には、自分の病気や検査について

事前に調べてくる方が多くなってきました。

それが正しい情報ならば良いのですけどね。

ある一部分だけに焦点を当てた情報であったり、

非常にまれなケースをあたかもよくある事の

ように取り上げたり、中には間違って理解して

いる方も・・・

我々の説明には全く耳をかしてくれないことも

あります。

困ったもんです (^^;

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