腹部超音波検査 腎臓1 腎臓の基礎

腎臓の解剖と正常超音波像

解剖は専門的な医療用語が多く、なかなか頭に入りにくいところですが、「臓器がどの辺りにあるのか?」 そして「周囲の臓器や組織との位置関係はどうなっているのか?」ということは必ず確認しておきましょう。

腎臓は第2胸椎部から第3腰椎の高さで脊柱の左右両側、後腹膜腔にあります。

左腎に比べて右腎はやや低く位置しています。

形は「そらまめ」状で、上から上極・中極・下極に区分されます。

大きさは、成人で長さ9~13cm、短径5cm、重量120g程度。一般に左腎の方が右腎よりやや大きい傾向ですね。

腎臓の実質は、尿の生成を行なう重要な機能を担った部分で、皮質と髄質からなっています。主な構成要素は腎小体と尿細管です。

実質のエコーレベルは正常腎で皮質が正常肝実質と同等~やや低く、髄質は皮質より低いエコーレベルとして描出されます。

皮質と髄質は共に腎盂に接していて、腎盂と接する皮質部分はベルタン(Bertin)柱と呼ばれます。髄質である錐体は腎杯に接し、腎杯は集合して腎盂を形成しています。

皮質の厚みは6~12mm程度で、実際の髄質は皮質の2倍程の厚みがありますが、エコーの特性上皮質と同等に描出されます。

腎中心部分の腎洞内には動静脈や腎盂腎杯、脂肪組織が存在して高輝度エコー領域を形成し、この部分はCEC(central echo complex)と呼ばれます。

腎臓内側、中央の陥凹部分は腎門と呼ばれ、腹壁側から順番に腎静脈、腎動脈、尿管が出入りしています。

腎動脈は上腸管膜動脈の下方1cmから起始し、右腎動脈は下大静脈の背側を通って、左腎動脈はほぼ横走して腎門部に入ります。腎門部で前枝と後枝に分かれ、さらに区域動脈、葉間動脈、弓状動脈、小葉間動脈へと分枝します。

以上、ざっと腎臓の解剖と正常超音波像を書きました。この部分は疾患像と密接に関わってきますので、面倒ですが知識の一部に加えておいてください。

あとで役立ちます (^^)v

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