超音波検査のアーチファクト

肝炎「病期ごとの典型例」 整理してみました?

すぐに行動する人ほど、上達が早いです!

逆に「だいたい知ってるから、またの機会にやろう」という方は何でも後回しにする傾向にあります。

もちろん上達のスピードは・・・

あなたは、すぐやりましたよね? (^^)

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本物? それとも偽物?  『アーチファクト』

アーチファクトって邪魔ですよね。

心電図や脳波などは、アーチファクトが入らないように、色々な工夫をしています。検査に限らず、基本的にアーチファクトはできるだけ取り除きたいのです。

エコー?

もちろん超音波検査装置にもアーチファクトがあります。

あるはずもないものが画像に映ってしまうものや、本来の形が歪んで見えたりする場合を超音波の世界ではアーチファクトって呼んでいます。

超音波の性質上、アーチファクトの出現は仕方のないことですが、これを見間違えてしまうと誤診につながることもあります。

ですから、超音波検査を行なう場合は、いま見ている画像が本物なのか、それとも偽物なのかをちゃんとわかった上で検査しなければいけません。

それでは本題です!

超音波のアーチファクトには、どのようなものがあるのでしょうか?

1.サイドローブ(副極)による虚像

2.多重反射

3.超音波ビーム幅、パルス幅に厚みがあるために生じる臓器輪郭の厚み

4.スライス幅があるために生じる、1断層面に臓器が重畳される現象(slice thickness artifact)

5.繰越しによる虚像

6.鏡面現象による虚像

7.レンズ効果による虚像

8.外側陰影

9.音響陰影

10.・・・

と、挙げればキリがありません。 (あるか・・・)

検査士を目指すのであれば、アーチファクト全部について、現象と原因、そして対策について理解しておく必要があります。

でもはじめは、ややこしい計算なんか憶えなくても大丈夫!目の前に見えているものがアーチファクトだということがわかっていればいいのです。

「あれっ 何か変だ」

こう思ったら、同じ場所を違う角度から観察してみて下さい。プローブを90度回転してみて下さい。押す力を変えてみてください。ほとんどのアーチファクトは、これだけで消えてなくなるか、変化がみられますからアーチファクトだとすぐわかります。

最初の段階はこれでよいと思います。

でも、せっかくですから検査でアーチファクトに遭遇した時は、その都度 原因と出現する理由、そして対策について調べておきましょう。

一度に頭に詰め込むのは大変ですが、一つ一つ積み重ねていくことで自然と頭に残るはずです。

ところが・・・

アーチファクトはこれだけではありません。

実は、ここからが本番です!

超音波診断でのアーチファクトは、他の検査のアーチファクトと ちょっと意味合いが違います。

他の検査ではアーチファクトがない方が正確な検査ができますね。ところが、超音波診断はアーチファクトが「診断の決め手」になることがあるのです。アーチファクトから組織像を推察したりもします。アーチファクトがとても重要な情報をもたらしてくれるのです。

つまり、アーチファクトを診断につなげるのです。

バックナンバーでやった「胆石の鑑別」や「胆嚢腺筋腫症」もそうでしたが、腫瘍性病変の良・悪性判断にはアーチファクトがとっても重要になります!

つづく

◆編集後記

昨日、患者さんと話していたときのことです。

患者:「今日は何の検査ですか?」

私 :「首の血管の超音波検査と血液検査がありますね」

患者:「あ~そういやぁ 先生が言ってたね」

私 :「診察券はお持ちですか?」

患者:「受付に出したけど」

私 :「あっ ほんとですか」

するとイキナリ

患者:「本当だよ! 嘘つくわけないだろ!! 」

私 :「・・・」

コミュニケーションは難しい・・・

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