肝細胞癌の超音波像
肝細胞癌:HCC:hepatocelluler carcinoma
超音波診断を行う上で、肝細胞癌は肝腫瘤性病変の中で大切なものです。
確実におさえておきましょう。
肝細胞癌は、原発性肝癌取扱い規約の肉眼的分類で、次の3型に分類されています。
●結節型(nodular type)
●塊状型(massive type)
●び漫型(diffuse type)
また、組織学的な分類では分化度を高分化型、中分化型、低分化型、未分化型に分類し、後者になるほど悪性度は高くなります。
肝細胞癌は正常の肝細胞から発生することはごく稀で、80%以上は肝硬変
から、約10%が慢性肝炎から発生しています。ですから肝硬変や慢性肝炎を超音波検査で定期的フォローアップする場合、最も大切な目的の一つが肝細胞癌の早期発見です。
肝硬変や慢性肝炎の肝臓内に小さな腫瘤性病変がある場合、肝細胞癌を第一に考え鑑別を行なうことが大切です。
肝細胞癌は小さなものほど低エコーレベルを呈することが多く、肝細胞癌と境界病変の鑑別が重要になります。中には脂肪化によって内部エコーレベルが高いものもありますから注意が必要です。
2cm以上のものでは、肝細胞癌に特徴的な超音波所見がみられます。肝細胞癌に特徴的な超音波所見には次のようなものがあります。
●辺縁低エコー帯
●側方陰影(lateralshadow)
●後方エコー増強
●内部エコーの不均一化
(tumor in tumor、nodule in nodule、mosaic pattern)
●肝表面への突出像(hump sign)
●門脈腫瘍塞栓
参考文献
※肝腫瘤の超音波診断基準(日本超音波医学会)
※肝細胞癌の超音波診断
※小肝細胞癌の臨床