腹部超音波検査 胆嚢2 胆嚢炎

急性胆嚢炎

胆嚢頸部、漏斗(ハルトマン窩)や胆嚢管へ結石が嵌頓することによる胆汁の通過障害が原因で発生するものが多く、病態は経時的に変化していきます。

まれに、結石が存在せずに発症するものがありますが、これを急性無石胆嚢炎といいいます。

炎症が進行すると胆嚢周囲膿瘍や肝膿瘍などを合併し、さらに高度に進行した場合では、壊死を起こした粘膜が剥離(intraluminal membrance)する壊疽性胆嚢炎になることがあり、壊疽性胆嚢炎では胆嚢内腔の出血や、胆嚢壁の穿孔などがみられます。

無石胆嚢炎の原因には、長期絶食(濃縮胆汁)、胆管閉塞(胆汁うっ滞)、糖尿病、動脈硬化症、膠原病、TAE後の胆嚢虚血が知られています。

急性胆嚢炎に特徴的な超音波所見は、胆嚢の腫大、胆嚢壁の肥厚、胆泥、結石です。

急性胆嚢炎の超音波像の検討

急性胆嚢炎の診断と治療

急性胆嚢炎の超音波検査-経時的検査の有用性-

慢性胆嚢炎

慢性胆嚢炎は胆嚢壁のほぼ全層に慢性の炎症性変化が生じるもので、急性胆嚢炎に引き続いて起こるものと、最初から慢性的に経過するものがあります。

急性胆嚢炎と同様に結石を合併しているものが多く、胆嚢壁は結石により機械的な刺激を受け、炎症細胞が浸潤することによって結合組織が増生し、胆嚢壁に繊維性肥厚がみられます。

さらに慢性胆嚢炎が進行すると、ときに胆嚢壁に石灰化が生じ、この石灰化が胆嚢全体を取り囲むようになると陶器様胆嚢といわれます。

慢性胆嚢炎に特徴的な超音波所見は、胆嚢の萎縮、胆嚢壁の全周性肥厚と高エコー化です。

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