腹部超音波検査 膵臓2 膵炎

急性膵臓:acute pancreatitis

急性膵炎は30~50歳代の男性に多くみられ、症状は心窩部や背中の激痛が特徴です。

病理組織学的には浮腫性、出血性、壊死性に分けられますが、ほとんどが軽症の急性浮腫性の膵炎です。

原因には胆石、膵管胆管合流異常、アルコール、ウイルスなどがありますが、原因の特定できない場合も多くみられます。

~特徴的な超音波像~

直接所見

● 膵臓のび漫性腫大または限局性腫大
● 膵臓輪郭の不明瞭化
● 膵臓実質のエコーレベル低下

間接所見

● 膵臓周囲の液体貯留
● 膵臓仮性嚢胞
● 胸水、腹水

慢性膵臓:chronic pancreatitis

慢性膵炎は膵臓組織の炎症持続 あるいは炎症後の変化で、膵炎が6ヶ月以上継続する病態をいいます。膵臓の実質が萎縮し、外分泌、内分泌ともに機能が低下しますので、一般に難治性です。

慢性膵炎の原因は急性膵炎とほぼ同じです。アルコール性では男性が、胆石によるものでは女性で頻度が高くみられます。

慢性膵炎の典型的な超音波像は、「膵臓の萎縮ないし限局性腫大」「膵辺縁の凸凹不整」「実質エコーの不均一化」などがありますが、典型的な例をみることはあまり多くありません。

慢性膵炎に関しては、日本膵臓学会から超音波所見による慢性膵炎の診断基準が提唱されていますので参考にして下さい。

~「超音波所見による慢性膵炎の診断基準」(日本膵臓学会:1995年)~

●確診所見
・膵石の存在

●準確診所見
・膵臓内の粗大な高エコー像
・膵管の不整拡張
・輪郭の不規則な凹凸

注)①膵嚢胞、②膵腫瘤ないし膵腫大、③膵管拡張(内腔が2㎜を超え、不整拡張以外)は、膵病変の検出指標として重要だが、慢性膵炎の診断指標としては特異性が劣る。

したがって①~③の所見を認めた場合はERCPを中心とし、各種検査により確定診断に努める。

確診、準確診に合致しないことがある膵の慢性炎症 ①慢性閉塞性膵炎 ②膵管狭細型慢性膵炎 ③腫瘤形成性膵炎

慢性膵炎の中でも腫瘤形成性膵炎は膵癌との鑑別が必要です。

腫瘤形成性膵炎

慢性膵炎の内、限局性に膵臓の腫大をきたすものは腫瘤形成性膵炎と呼ばれます。

膵臓癌との鑑別に苦慮することも多く、手術後にはじめて診断されることもありますので、超音波での診断は非常に重要になります。

超音波像での特徴

①膵頭部に好発
②辺縁不整、境界は不明瞭
③内部は比較的均一な低エコー
④尾側の膵管拡張は軽度で不整
⑤腫瘤を膵管が貫通(penetrating duct sign)
⑥経過観察中に腫瘤の消失がみられることもある

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