腹部超音波検査 腎臓6 腎臓の腫瘍

腎血管筋脂肪腫

血管、平滑筋、脂肪成分からなる良性腫瘍です。組織像は血管を取り囲むように平滑筋線維が存在。それらの間に脂肪細胞が認められる過誤腫です。

超音波像はエコーレベルの高い類円形で、嚢胞性変化やhaloは認めません。後方のエコーが増強し、特徴的な像を示しますので診断はそれほど難しいものではありません。

ただし、脂肪成分の少ない腎血管筋脂肪腫は腎細胞癌との鑑別が難しく、また高エコーの小腎細胞癌もありますので注意が必要です。

腎細胞癌

腎の近位尿細管上皮から発生する悪性腫瘍で、線維被膜構造を持ち、膨張性に発育することが多いことから腫瘍周囲の低エコー帯(halo)を認めることもあります。

内部のエコーレベル、エコー像はさまざまで、一般的に径の小さいものは高エコーレベルのものが半数以上を占め、大きいものでは等~低エコー、腫瘍の増大とともに出血や壊死が起こると高低混在型のパターンになると報告されています。

腎盂腫瘍

腎盂腎杯から発生し、80~90%が移行上皮癌で、扁平上皮癌が15%程度、残りが腺癌とその他になります。扁平上皮癌の予後は非常に悪く、ほとんどの例が1年以内に死亡します。

腎盂癌の超音波所見は腎中心部高エコー(CEC)内に低エコー腫瘤を形成し、腎盂腎杯の拡張を伴うことです。 び慢性に浸潤をきたせば腎機能は低下して腎臓そのものが腫瘍に置換されてしまいます。

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