超音波検査における「腹部臓器の描出法」その2

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「腹部エコーの描出法」その2

「肝臓が出ません! ちょっとみてくれますか?」

これも初心者によくあることです。

原因は、十分に臓器を下げられていない場合が多いようですね。この場合、肝臓とまったく違う部分をみています。肝臓は、ふつう肋骨の内側にありますから、アプローチは肋間・肋弓下・心窩部ですね。

肋骨の内側にある肝臓を「肋弓下」や「心窩部」から観察するには「呼吸」、それも横隔膜を下げる「腹式呼吸」が有効です。横隔膜を下げることによって、その下にある肝臓も下にさがってきます。さらに「圧迫」と「プローブ操作」を加えれば、ほとんどの例で肝臓は簡単に描出することができます。

これでダメな時は・・・?

まず、遠いところからアプローチしてないか確認しましょう。←これ大切。もっと近くからあてれば簡単なのに~って方、多いです。そして、もう一度「呼吸の操作」「圧迫の強さ」「プローブ角度」を確認してみることです。

腹式呼吸できてますか? ちゃんと肝臓下がってますか? 遠くから狙っていませんか? 圧迫は弱くないですか? あなたが思っている以上に押せていないことも多いのです。左側臥位も試すとイイですね。特に右葉には効果的です。

あと、基本的なことですが、プローブの持ち方もいろいろ工夫してみましょう。

それでも・・・

どうやっても・・・

ダメな場合

肋間からのアプローチです。

この場合、右肋間だけではなく前方からもアプローチしてみましょう。「太った患者さん」や肝臓が上方にある患者さんでは有効です。時にはセクタも使ってみてくださいね。(^^)v

つづく

◆編集後記

患者さんは中年女性。

左乳房に小さな“しこり”を指摘されて、マンモグラフィを受けました。

がマンモグラフィでは「異常なし」

そこでエコーによる精密検査となりました。

検査を始めて数秒後

そのお医者さんは、いきなり後ろを向くと・・・

キラーン (* ̄∇ ̄*)

その瞬間、いや~な予感が・・・

これは「しーえーです」「しーえー♪」

ガクッ・・・(やっぱり)

だから、いつもいってるけど患者さんが目の前にいるんだってば!!

ゴメンナサイ m(__)m

※ しーえー ⇒ Ca:carcinoma

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