超音波検査で必要なC型肝炎の基礎知識

友人と久しぶりにお酒を飲みに行ったときのことです。

その友人が「最近体がだるくって、仕事にならないんだよ」と・・・。ちょっと手のひらを見ると、親指の付け根あたりがやけに赤い。

「ちょっと肝臓悪いんじゃないの?」「エコーやってみようよ」ってことで、すぐ次の日に検査をしました。

肝臓はちょっとエコーレベルが高い程度。「脂肪肝だよ。酒の飲み過ぎ!」なんて冗談云ってたのです。

あれっ待てよ?

肝門部のリンパ節がちょっと腫れている。

さらに検査をすすめると、

脾臓も大きくはないが、ふっくら丸々としてる。

これ、ちょっとマズイんじゃない!




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今回は「C型肝炎」です

▽C型肝炎 基礎知識

まずは、基礎知識を復習しておきましょうか。もちろん知っているとは思いますが、いちおうね♪

C型肝炎はHCV(C型肝炎ウイルス)が原因で肝臓に炎症が起こる病気です。

HCVは主に血液を介して感染します。輸血や臓器移植、注射器が原因になることが多いみたいです。まれに母子感染や性交渉によっても感染します

HCVに感染すると、このウイルスは人の肝細胞が好きなので、肝臓に棲みついて増殖します。実はHCV自身が肝細胞を壊すわけではなく、肝臓に炎症を起こす原因は、ヒトの免疫機構が関係しているらしいのです。

このHCVはHIV(エイズウイルス)同様、形をコロコロ変えるため人のつくり出す抗体が効きません(免疫機構で排除できない)。抗体でやっつけられないので、ヒトの免疫機構は感染した細胞ごと破壊してウイルスをやっつけようとします。

そのために肝臓が炎症を起こしてしまうのです。通常、ヒトはHCVに対応する抗体をつくれませんから、完全にウイルスを排除することは難しく、約70%の人が慢性肝炎になるといわれています。

慢性肝炎は10年単位の年月を経て、やがて肝硬変へ移行し、肝臓癌の発生へと進んでいくのです。

やっかいなのは、このC型肝炎があまり症状が出ないからです。気づいたときには「すでに肝硬変だった」なんてこともよくあります。具合が悪くてエコーをやったら「HCC(肝細胞癌)でした」という患者さんも結構います。

・・・ つづく

◆編集後記

冒頭の友人はラッキーなことに、たまたま早期に症状が出たこと、そしてインターフェロン治療が効果のあるウイルス型だったのです。

その後インターフェロン治療を受け、今では「血液中のウイルスがいなくなった♪」といいながら、毎晩お酒をたくさん飲んでます (@@)

(いいんだろうか?)

でも、私が何言っても「もう治ったから平気、平気! (^^)v 」

まったく・・・

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