肝臓エコー検査⑧

初心者のための無料超音波セミナー

▽この人は「上達する」と思う瞬間

私の周りには、エコーが上手な人がたくさんいます。

そこそこ上手な人、おーそんな手があったか!

という技を持つ人、

もうとにかくメチャメチャすごい人 ^^

そして、上達する人には共通点があります。

まず1つ目は「エコーが好きで好きでたまらない人」

滅多にいませんが ^^;

エコーが好きな人は、何でもどんどん積極的に取組みます。人の分まで「私がやりますから休んでてください」なんて ^^ もちろん患者さんと接することも大好き。患者さんの悪口は決して口にしません。

当然、患者さんも協力的になります。

そして、こんな人は非常に勉強熱心でもありますよね。

もう1つは、人の話をよく聞いて素直にすぐ実行する人。これは、自分より上手な方・新人さんを問わず、人の話を真剣に聞き、今の自分の知識や技術を高めようとする人です。

いいと思ったことはすぐ実行。その時々に応じて少し上のことをすぐ実行に移します。先輩からの宿題や、後輩から質問されて答えられないようなことは、必ず次の日までに調べてくる。

逆になかなか上達しない人は、ちょっと調べればわかるカンタンなことさえ後回しにします。

上達する人が、どんどん腕をあげるのは、その時々の状態に応じてその人にとって少し上のアドバイスを即実行するからです。例えば、「これ読むといいよ」と渡したら、かじりつくように読む人です。

この2つ目は本当に大切です。

まずは、少し背伸びすれば届く部分を頑張ってくださいね。

続いて、、またもや脂肪肝です。

肝臓の超音波検査 その9 NASH(ナッシュ)?

脂肪肝って肝硬変とかにならないから大丈夫 (^^)v

いえいえ、そんなことはありません。

たまに(いえ、意外に多い)太ってもいないし、酒も飲まないという方に、「えっなんで?」と思うような高度の脂肪沈着がみられる患者さんがいます。

そう、NASH(Non-alcoholic steatohepatitis:非アルコール性脂肪性肝炎)です。NASHは、飲酒をしない人がアルコール性肝障害と同じような病態を呈する病気ですね。

一般的な非アルコール性脂肪肝(NAFLDといいます)。

これは肥満による脂肪細胞からの脂肪酸の流入、過食による肝細胞での脂肪酸・TG生合成の増加、インスリン抵抗性による肝細胞での中性脂肪の生合成上昇や末梢でのリポ蛋白リパーゼ活性の低下によっておこります。

このNAFLDの中で約20%がNASH(つまり炎症を起こすタイプ)で、その内の20%が肝硬変まで進行すると言われています。

成人の20%がNAFLDと大雑把に考えると・・・

NASHは少なくとも200万人。

そして肝硬変まで進行する人は、なんと40万人以上!

すごい数ですね。

NASH患者は肥満、高血糖、高脂血症(生活習慣病ですね)の中高年女性に多く、特にインスリン抵抗性が注目されています。インスリン抵抗性に肥満や運動不足が加わり、生活習慣病の一症状として脂肪肝なる。

さらに、中性脂肪を燃焼させようとするミトコンドリアの「頑張りすぎ」で発生した活性酸素がミトコンドリアを傷つけ、中性脂肪を過酸化脂質に変えて肝臓に炎症が広がるのだそうです。

活性酸素はDNAまでも傷つけて癌へ……。

脂肪肝 ⇒肝炎 ⇒肝硬変 ⇒肝臓癌 という図式です。

そして、このNASHを早期に発見するのは、やっぱりエコーです。

◆編集後記

今回は少しまじめな話でした ^^

エコーをやっていると、脂肪肝は多く遭遇する疾患です。

(でも本当に成人の20%もいるかなぁ?)

それはともかく、脂肪肝を見たときに、その程度を報告するだけでなく、背景も考えられると大きくエコーの幅が広がりますよね。

ただ単に「脂肪肝」とするのではなく、「NASHかも?」という気持ちを持って検査をすることが大切です。

初心者に最適!丁寧でわかりやすい超音波ハンズオンセミナー

初心者に最適! わかりやすく丁寧な超音波セミナー

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする